ニキータ・マゼピン解雇。心中を考えると心が痛むけど、ある意味F1らしい結論。

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マゼピンの契約解除、ついに正式発表されてしまいました。

「金の切れ目が縁の切れ目」、政治があって経済もあるF1ではやむを得ないことなのかも。

 

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今日から、鈴鹿サーキット60周年記念ファン感謝デーが開催されています。

コロナ禍ということもあり、残念ながら管理人は参加を断念しました。

 

でも無料ライブ配信で楽しめましたし、SNSでは多くの方が現地で楽しまれているようで。

暗いニュースが続いていただけに、少し明るい気持ちになっていました。

 

 

ところが夕方ごろ、ついにこのニュースが正式発表されてしまいました。

『ニキータ・マゼピン、ハースF1との契約を終了』

 

もう正式発表を待つばかりだったので、覚悟はしていたのですが。

でも、いざ発表されるとやっぱり辛いですね。

 

これで、このロシア人F1ドライバーの夢が潰えたことになります。

悲しいニュースですが、あらためて真相をしっかり把握しておくことにしましょう。

 

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FIAは、ロシア人のF1参戦を許可

© fia.com

 

まず、本日の決定に至る経緯を整理しておきましょう。

 

3月1日に、世界モータースポーツ評議会の臨時会合が開かれ。

ロシアのウクライナ侵攻問題に対する、ロシア人ドライバーへの措置が検討されました。

 

当初は、国際レース出場禁止措置も検討されたようです。

 

でも、「中立的な立場」や「FIAへの同意書の提出」を条件に。

ロシア人ドライバーの国際レース出場は許可されました。

 

FIAの判断としてはここまで。

 

それ以外に。

  1. 各国首脳が、ロシア人ドライバーに対してビザ発行制限や入国制限を実施するのか?
  2. 各チームが、引き続きロシア人ドライバーを雇用するのか?

これらは別問題として、存在していたわけです。

 

「1」は、イギリスが表明し、オーストラリアも同様の措置が取られると噂されてました。

そうなると、ロシア人ドライバーが該当国でレースをするのは不可能な状況となります。

 

「2」は、各チームに判断が委ねられていたわけで。

それが今日、ハースF1チームから正式発表となったわけです。

 

 

ハースF1チームの判断が「契約解除」

© Haas F1 Team

 

本日夕方18時ごろ、ハースF1チームから公開された声明がこちらです。

  • タイトルスポンサーのウラルカリ、およびニキータ・マゼピンとの契約を解除する。
  • 他のF1関係者同様、ウクライナ侵攻に衝撃と悲しみを受けている。
  • 早期に、平和的な紛争終結を願っている。

 

 

事実としては、まずマゼピンの父ドミトリーが経営するロシア企業「ウラルカリ」との契約解除

  • ロシア企業との繋がりという世論への配慮なのか?
  • 資産凍結されて支払い能力が無いからなのか?

理由は定かではありません。

 

いずれにしても、「ウラルカリ」からの資金提供が前提で。

マゼピンはハースF1チームと、ドライバーとして契約していたわけで。

その資金源となる企業との契約が解除されたので、マゼピンの契約も解除ということです。

 

SNSなど見ていると、

  • 「マゼピンは、ロシア人だから追放された!」

というような意見を多く見かけました。

 

 

でも厳密に言うと、少しニュアンスが違うかもですね。

  • 「ロシアのウクライナ侵攻が、トリガーとなった」
  • 「ロシア企業が資金提供出来なくなり、新たな資金源の無いマゼピンは解雇された」

という感じですかね。

 

なので、マゼピンがロシア人でなくても解雇されていたでしょうし。

仮に別の資金源がすぐ用意できていれば解雇されなかったかもしれないし。

 

良くも悪くも、「お金」が重要なF1をよく表している結果だと思います。

 

 

マゼピンには同情しかない

© Nikita Mazepin

 

こちらが、チームからの発表直後にマゼピンがSNSで表明した声明です。

ざっと、こんな感じです。

  • 親愛なるファンへ、F1の契約が打ち切られ大変残念に思っている。
  • FIA裁定と参戦条件を受け入れる意思があった。
  • でもその意思は無視され、何のプロセスも経ず一方的な解雇措置が取られた。
  • 理解者の皆さんには、心から感謝している。
  • F1で過ごした時間を大切に、もしまた時期が来れば一緒に出来ると心から願う
  • また近いうちに、もう少し話をするかもしれない。

 

23歳の若者の夢がこんな形で終結してしまうなんて。

本当に心が痛む出来事です。

 

 

マゼピンは、確かにペイドライバーです。

でも揶揄しているわけじゃなくて、ほとんどのドライバーがなんらかの資金的な後ろ盾があってF1まで這い上がってきています。

 

例えばセルジオ・ペレスだって、一年目はペイドライバーと言われ小林可夢偉にボロ負けしました。

でも二年目に機をつかみ可夢偉を上回った結果、いまレッドブルで優勝したり活躍する姿があるわけです。

 

さらに近年は、F1に昇格するためのライセンスポイントも厳しくなっています。

マゼピンは、立派に条件をクリアしてF1まで上り詰めたわけです。

 

 

なので、このF1の舞台に立ってからが夢の実現に向けて本当の勝負だったはず。

今年は戦えるマシンで、期待も高かったはずです。

 

そんなチャンスを、こんな事態をきっかけに突然召し上げられた23歳の若者。

その心中を思うと、本当に胸が苦しくなってきます。

 

 

でも、これがF1ですよね

© 【公式】フジテレビ☆モータースポーツ Twitter

 

ということで、また暗い気持ちになってしまいました。

 

トリガーとなった侵攻問題が、マゼピンには一切非が無い事態なので。

心が痛むところではありますが。

 

でもシンプルに言うと、今回は「金の切れ目が、縁の切れ目」だったわけで。

F1を象徴する格言でもあります。

 

こういうことがあると、また高桐唯詩さんの詩を思い出してしまいます。

僕たちが大好きなF1には、「混沌」「政治」「経済」があります。

 

それでも、F1は続いていきます。

 

なので、いつまでも暗くなっていても仕方ないので。

全然関係のない、ファン感謝デーのこの素晴らしいサウンドでも明るく聴きながら(笑)

 

元気に前を向いて、これからもF1を楽しんでいきましょう!

 

以上、ニキータ・マゼピンのF1契約解除についてでした!

 


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