『F1デビューから毎年優勝&ポール』のハミルトン。過去チャンピオンと比較したら、実はすごい記録でした!

調べてみた
© Formula1 Twitter
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メルセデスのルイス・ハミルトン、いよいよ次戦ロシアGPでシューマッハのF1通算91勝の最多勝記録に並ぶかが注目されています。

 

この記録も凄いですが、もっと凄いと思う記録があります。

デビューした2007年から今年2020年まで14年連続で、毎年必ず1回はポールポジションと優勝を達成しています。

 

どんな偉大なチャンピオンでも、デビューイヤーに勝てる車に恵まれることはそうそう無いですし、キャリア途中でも一度くらいは勝てないマシンでのシーズンを過ごすはずです。

そう考えると、この記録も2度と破られないくらい凄い記録なのではないかと思います。

 

実際どれくらい凄いのか、とても気になってきました。

過去のチャンピオンたちと比較して、この記録の凄さを見直してみることにします。

 

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現役チャンピオンの記録

まずは現役チャンピオンのS.ベッテルK.ライコネン、それに2021年から復帰するF.アロンソの3人の現役チャンピオンの記録を見てみましょう。

 

セバスチャン・ベッテル
年度チーム予選最高位決勝最高位
2007年*トロロッソ7位4位
2008年トロロッソ1位1位
2009年レッドブル1位1位
2010年レッドブル1位1位
2011年レッドブル1位1位
2012年レッドブル1位1位
2013年レッドブル1位1位
2014年レッドブル2位2位
2015年フェラーリ1位1位
2016年フェラーリ2位2位
2017年フェラーリ1位1位
2018年フェラーリ1位1位
2019年フェラーリ1位1位
2020年フェラーリ5位6位

*2007年シーズン途中に、BMWから1戦、トロロッソから7戦に参戦

 

現役ではハミルトンに次ぐ4度のワールドチャンピオン。

それでも、通算14シーズンでPP、優勝ともに出来なかったシーズンが4度もあります。

初年度2007年はスポット参戦やシーズン中からの参戦だったので仕方ないでしょう。

実質フルシーズンデビューの2008年に、ポールも優勝もしているのはさすが見事です

ただし2014年、2016年のメルセデス最強のシーズンに、どちらも最高位が2位となっています。

今年は、残念ながらポールも優勝も出来なそうですよね。

 

 

キミ・ライコネン
年度チーム予選最高位決勝最高位
2001年ザウバー7位4位
2002年マクラーレン2位2位
2003年マクラーレン1位1位
2004年マクラーレン1位1位
2005年マクラーレン1位1位
2006年マクラーレン1位2位
2007年フェラーリ1位1位
2008年フェラーリ1位1位
2009年フェラーリ2位1位
2012年ロータス4位1位
2013年ロータス2位1位
2014年フェラーリ6位4位
2015年フェラーリ2位2位
2016年フェラーリ3位2位
2017年フェラーリ1位2位
2018年フェラーリ1位1位
2019年アルファロメオ5位4位
2020年アルファロメオ13位9位

デビューイヤーのザウバーは、残念ながら優勝を争えるようなマシンではありませんでした。

2年目の2002年はフェラーリ最強時代のため2位が最高位。

そこから一時F1離脱する2009年までは、2回を除き達成しています。

2012年の復帰後は、逆に2018年の1回だけ達成と少なくなっています。

結果を見ると、しぶとくレースで結果を出していることがわかりますね。

 

 

フェルナンド・アロンソ
年度チーム予選最高位決勝最高位
2001年ミナルディ17位10位
2003年ルノー1位1位
2004年ルノー1位2位
2005年ルノー1位1位
2006年ルノー1位1位
2007年マクラーレン1位1位
2008年ルノー2位1位
2009年ルノー1位3位
2010年フェラーリ1位1位
2011年フェラーリ2位1位
2012年フェラーリ1位1位
2013年フェラーリ3位1位
2014年フェラーリ4位2位
2015年マクラーレン11位5位
2016年マクラーレン7位5位
2017年マクラーレン7位6位
2018年マクラーレン7位5位

デビューイヤーの2001年のチームはミナルディです、この年は仕方ないですね。

その後は、決して最速マシンではない中で、2013年までは少なくともポールか優勝を毎年実現しているのは流石です。

2度目のマクラーレン移籍の2015年以降は、マシンが残念な状況だったのでご覧の通り燦々たる結果です。

 

 

近代F1 マルチチャンピオンの記録

現役ドライバーのチャンピオンたち3人を見るだけで、いかにハミルトンの記録が凄いかがあらためて解りました。

 

さらに、ここ30年で2回以上チャンピオンになった、M.シューマッハーM.ハッキネンA.プロストA.セナの4人の記録も見てみることにしましょう。

 

ミハエル・シューマッハー
年度チーム予選最高位決勝最高位
1991年*ベネトン5位5位
1992年ベネトン2位1位
1993年ベネトン2位1位
1994年ベネトン1位1位
1995年ベネトン1位1位
1996年フェラーリ1位1位
1997年フェラーリ1位1位
1998年フェラーリ1位1位
1999年フェラーリ1位1位
2000年フェラーリ1位1位
2001年フェラーリ1位1位
2002年フェラーリ1位1位
2003年フェラーリ1位1位
2004年フェラーリ1位1位
2005年フェラーリ1位1位
2006年フェラーリ1位1位
2010年メルセデス5位4位
2011年メルセデス5位4位
2012年メルセデス1位3位

*1991年シーズン途中に、ジョーダンから1戦、ベネトンから5戦に参戦

 

さすが、最多勝91勝のシューマッハーです。

途中参戦だった1991年を除けば、実質デビューの1992年から一度目の引退2006年まですべての年で勝利を挙げています。

ただし1992~93年は、マシンが非力なベネトンだったこともありポールポジションは獲得できず。

また復帰後の2010年以降は、一度だけ予選1位(ただし5グリッド降格)がありますが、一度も優勝はありません。

 

 

ミカ・ハッキネン
年度チーム予選最高位決勝最高位
1991年ロータス13位5位
1992年ロータス7位4位
1993年*マクラーレン3位3位
1994年マクラーレン2位2位
1995年マクラーレン3位2位
1996年マクラーレン4位3位
1997年マクラーレン1位1位
1998年マクラーレン1位1位
1999年マクラーレン1位1位
2000年マクラーレン1位1位
2001年マクラーレン2位1位

*1993年シーズン途中から3戦に参戦

 

ご覧の通り、キャリア前半はマシンに恵まれなかったことがよく解かる結果となりました。

キャリア後半でようやくマシンに恵まれ、シューマッハーとの永遠のライバル対決を実現したハッキネン。

1997年以降は、引退する2001年のポールポジションを除いて、すべて達成しています。

F1に来てからの苦労がよく解かる結果が出ていますね。

 

 

アイルトン・セナ
年度チーム予選最高位決勝最高位
1984年トールマン3位2位
1985年ロータス1位1位
1986年ロータス1位1位
1987年ロータス1位1位
1988年マクラーレン1位1位
1989年マクラーレン1位1位
1990年マクラーレン1位1位
1991年マクラーレン1位1位
1992年マクラーレン1位1位
1993年マクラーレン1位1位
1994年*ウィリアムズ1位

*1994年シーズン途中まで3戦に参戦

 

これまで調べた中で、もっともハミルトンの記録に近い結果です。

デビューイヤーは戦闘力の無いトールマンのマシンながらも、予選3位、決勝2位の結果を上げています。

以降、1994年第3戦サンマリノGPで亡くなるまで、すべての年で優勝とポールポジションの実績を挙げています。

中でも、1992年や1993年はウィリアムズが全盛期でした、ここでも非力なマシンでポールポジションを各1回づつ獲得しているのは流石というしかないですね。

 

 

アラン・プロスト
年度チーム予選最高位決勝最高位
1980年マクラーレン7位5位
1981年ルノー1位1位
1982年ルノー1位1位
1983年ルノー1位1位
1984年マクラーレン1位1位
1985年マクラーレン1位1位
1986年マクラーレン1位1位
1987年マクラーレン2位1位
1988年マクラーレン1位1位
1989年マクラーレン1位1位
1990年フェラーリ2位1位
1991年フェラーリ2位2位
1993年ウィリアムズ1位1位

こちらも凄い結果です。

デビューイヤー以外は、マシンが絶不調だった1991年を除き、すべての年で勝利しています。

逆に言うと、シューマッハーに抜かれるまで最多勝だったプロストでさえも、未勝利の年がやっぱり存在したということですね。

また87年以降はポールポジションが無い年が3度あります。

でもきっちり勝利したりチャンピオン争いしたりしているところが、プロストらしくて面白いデータとなっています。

キャリア後半では、予選結果よりもレースを重視する傾向がそのまま数字に現れていますね。

 

 

F1の歴史でデビューイヤー勝利は8人のみ

© F1 in the 2000s Twitter

 

過去のチャンピオンたちの実績を見てきました。

実現するためのハードルとしては、

  • デビューイヤー
  • キャリア晩年

ということが解りましたね。

確かにハミルトンは2007年のデビューがトップチームのマクラーレンで恵まれていました。

でも、新人ながらアロンソと互角以上の戦いをしたのが凄いところで、ただ単に恵まれていただけではなかったですよね。

 

そもそもF1の長い歴史の中で、デビューイヤーに勝利を飾ったことがあるドライバーが8人しかいません。(F1開催初年度は除く)

古くはJ.スチュワートや、E.フィッティパルディ、近代F1ではハミルトン以外に、J.ビルヌーブ、J.P.モントーヤなどです。

しかし、その後必ず勝てないマシンで苦労する時期があり、誰も連続達成はできていませんでした。

 

これだけ難しい記録ですから、

『デビューイヤーから、毎年連続優勝&連続ポールポジション』

F1の歴史で唯一無二のハミルトンのこの記録、最多勝91勝記録と合わせて、もっと注目の偉大な記録として捉えてもいいんじゃないでしょうか。

 

そんなハミルトン、今週末のロシアGPにて、いよいよシューマッハーの最多勝記録に並ぶ可能性が高いです。

F1最多勝に並び、抜いていき、さらに偉大なドライバーとなるハミルトン。

歴史の目撃者になれるという気持ちで、今回はメルセデスの圧勝を楽しんで見守ることにしましょう!

 

以上、ハミルトンの連続優勝&PP記録の調査でした!

 


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