2020年 F1第9戦 トスカーナGPが無事に終了しました。
“無事に”という言葉、非常に重く感じます。
何度も大きな事故による中断を繰り返しながら、非常に荒れたレースとなりました。
これだけ多くの事故が発生して、誰も大きなケガがなく無事にレースが終了したことがとにかく一番良かったです。
大荒れに荒れていろんなことが起きたレースでした。
さっそく振り返っていきたいと思います。
F1は生命の危機と隣り合わせのスポーツ
あらためて、こういうレースの時には思い出したいことがあります。
『F1は生命の危機と隣り合わせのスポーツ』だということです。
心のどこかでは解っていても、ついこのことを忘れがちです。
マシンやコースの飛躍的な安全性向上で、たとえ大きなクラッシュでも、無事に生還してくるドライバーを見ることがほとんどだからです。
でも、その悲しい時は、ある日突然やってきます。
セナの時も、ラッツェンバーガーの時も、ビアンキの時もそうでした。
モータースポーツでは、これが避けられない事実であることも確かです。
でも、リスクを減らすことはできるはずです。
昨日いくつかあった事故の中で、セーフティーカー明けのリスタート多重クラッシュだけは余計な事故でした。
12名ものドライバーに警告処分となったようですが、避けられる事故だったはずです。
ヘイローがあったから良かったものの、サインツのヘルメット近辺にはいくつもパーツが飛んできていました。
このような無意味な事故は避けることができるように、関係者にはしっかり再発防止に向けて動いてほしいと思います。
一方で、例えば超高速アラビアータコーナーでのストロールの事故は、避けようが無かったクラッシュです。
無事で本当に良かったです。
我々ファンにできることは、このように無事に生還することを祈ることと、
常に危険と隣り合わせで戦っている20人のドライバーへのリスペクトを忘れないことくらいです。
アルボン、3度目の正直で初表彰台!
ということで、気を取り直してレース展開の振り返りです。
1周目にチームメートのフェルスタッペンがリタイアする中で、レッドブルのアルボンが見事に初表彰台を獲得しました。
タイ人としては初、アジア人としても2012年小林可夢偉以来の表彰台となりました。
昨年2019年のブラジルGP、今年開幕戦のオーストリアGPと、表彰台を目前にしながら無念のクラッシュで2度も涙を呑んできたアルボン。
両レースのクラッシュとも、アウト側にいたアルボンが内側のマシンと接触した形でした。
そして今回、3位を賭けてレース終盤でルノーのリカルドをオーバーテイクする際、なんとまたそのアウト側から抜きにかかりました。
この抜き方は純粋にカッコよかった!
これで過去のトラウマを払拭できたかもしれませんね。
ガスリーがイタリアGPで優勝したことによって、アルボンには内外から相当なプレッシャーがあったはず。
表彰台を経験したことで、シーズン後半戦は一皮むけたアルボンに期待することにしましょう!
ダブル入賞でなんとか面目のフェラーリ
1000レース記念の特別グランプリだったフェラーリ。
結果はルクレール:8位、ベッテル:10位で、ダブル入賞という形でなんとか最低限の結果は出せたのではないでしょうか。
特にルクレール、予選は見事なラップを決めましたし、レース序盤もなんとか後続を抑えようと必死に戦っていたところが垣間見えました。
残念ながらトップスピードの伸びないマシンでは、成す術なく後続マシンに『ゴボウ抜かれ』されていきました。
でも荒れたレースを粘り強く走り、チームに貴重なポイントを持ち帰ることができたのではないでしょうか。
一方のベッテル、問題はマシンの相性でしょうか、モチベーションでしょうか?
とにかくルクレールに対して、速さも結果も差をつけ過ぎられています。
実力はみんな知っています、このままで終わるベッテルではないと信じています。
後半戦はルクレールに対してチャンピオンの意地を見せる走りを期待したいと思います。
ハミルトン 90勝は凄い記録です
荒れに荒れたレースでしたが、結局勝ったのはルイス・ハミルトン。
2位にもボッタスが入り、メルセデスの1-2フィニッシュとなりました。
ハミルトンにとっては通算90勝目、メルセデスチームにとっては2010年に復帰して以来100勝目の勝利となりました。
これだけ勝ちまくってるためか、なぜかSNSなどでいわれのない中傷を受けたりするハミルトンとメルセデス。
でもこれだけの記録を残すためには、ドライバーとして類い稀な才能や、チームとして尋常でない開発努力をしているはずです。
他チームが不甲斐ないだけで、彼ら成功した人たちを中傷するのはおかしいと思います。
その不甲斐ない他チームも、挽回に向けて頑張っているわけで、彼らを責めるものでもないですし、応援するしかないのではと思います。
でも、この話と表彰台にTシャツで現れた件は別です。
スポンサーロゴをきちんと見せる必要がある公式セレモニーでは、表彰台でメッセージ性の強いTシャツを着る行為はいかがなものかと思いました。
メッセージの内容ではなく、スポンサーロゴを隠したことが、です。
そのためか、表彰台を見上げるトト・ウォルフ代表の顔がすごい怖かった、と思ったのは管理人だけでしょうか(笑)
とにかく、歴史に残る凄いドライバーであるハミルトン。
いよいよ今年中に、シューマッハの持つ通算91勝の記録を越える瞬間が見れそうです。
どのグランプリになるのか、あっさりあと2戦で達成するのか、楽しみに見ることにしましょう!
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F1初開催となるムジェロでのトスカーナGPを振り返ってきました。
ドライバーの安全が第一であることをあらためて認識させられらグランプリとなりました。
管理人も、若い時にF1を見始めた頃は、クラッシュが起きでも、
『とは言っても、ドライバー大丈夫でしょ』
くらいに軽く見ていたかもしれません。
でも、その後いろんな悲しい事故の瞬間を経験をしてくると、高速コーナーでのクラッシュや、マシンやパーツが空中に飛ぶようなクラッシュを見ると、本当にゾッとします。
とにかく他のスポーツと異なり、悲しい事故と常に隣り合わせのこのスポーツ。
そんなスポーツを愛している者としてできることは、
ドライバー全員をリスペクトしながら、レースの瞬間瞬間を楽しんでいきたいと思います。
次戦ロシアGPは1週あけて2週間後となります、無事に楽しいレースが行われますように!