FIA(国際自動車連盟)が、F1の出走に必要となるスーパーライセンスの発行基準を変更することを発表しました。
変更理由は、新型コロナウィルスの影響を受けたドライバが不利益を被らないための救済措置です。
F1に昇進するためには、スーパーライセンスポイントを過去3年間で40ポイント累積する必要がありました。
- それが今回どのように変わることになったのか?
- またその変更に対して、角田裕毅選手は有利になるのか、不利になるのか?
これはチェックしておかないといけないので、さっそく整理してみました。
変更店の概要
上記のFIA公式サイトから引用します。
10月9日に行われた、世界モータースポーツ評議会の議事録公開みたいな形です。
該当箇所は、『FIA Safety Commission Appendix L 』です。
シンプルに要約すると、概要は以下2点となります。
対象期間
- 対象期間を3年から4年に延長する。
- ただし累積するポイントは、その4年間のうちの3年分だけ加算する。
特例申請
- 40ポイントに到達してなくても、不可抗力理由であれば承認する場合もある。
- ただしその場合でも最低30ポイントは越えている必要がある。
このように、新型コロナウィルス影響で、今年一年に海外レースに入国制限などで出れなかった場合の救済と理解することができます。
角田裕毅選手への影響
角田選手の昨年までの過去3年間のスーパーライセンスポイントを整理すると以下となります。
- 2017年:7pt(F4:3位)
- 2018年:12pt(F4:1位)
- 2019年:2pt(F3:9位)
ここに、今年2020年のF2ポイントランキングに応じて取得できるポイントがこちら。
- 1位:40pt
- 2位:40pt
- 3位:40pt
- 4位:30pt
- 5位:20pt
- 6位:10pt
- 以下略
これまで本来は直近3年間で40pt必要だったので、
『2018年と2019年の合計14pt』+『今年F2での4位30pt以上』加算が必要だったことが解ります。
では、今回の変更で影響は?
角田選手は、2019年よりも2017年の方が5ポイント多く獲得しています。
今回の新基準で過去4年分でポイント数の多い3年間を選べるのだとしたら、2017年分と2018年分を加算した方が得です、合計19ptとなります。
でもそこに40pt到達するためには、やっぱりF2で4位以上という条件は変わらないですね。
ただし、今年F2で5位:20Ptだとしたら合計39ptとなります。
レース結果意外に、例えばF1金曜フリー走行に出走するだけでも、スーパーライセンスポイントが付与されます。
そうすると5位だったとしても、一度F1フリー走行に出走すれば大丈夫、という可能性も出てくることになりますね。
新基準は気にしないで4位以内を!
しかしながら角田選手は、今年当初の予定通りF2に年間フル参戦できています。
ですので、新型コロナ影響を受けていないと言えるでしょう。
直近4年のうちの任意の3年を選択するという決定は、発表原文の英語を見る限り、新型コロナ影響の影響有無に関わらず有効のように捉えれます。
なので今回の変更について結果的には、若干有利というか、可能性が若干広がった、ということができるんじゃないでしょうか。
でも、そんな解釈でモメそうな、セコいことを言うのはやめましょう!
アルファタウリのトスト代表も公式会見で、角田選手の去就とホンダ撤退は影響しない旨のコメントをしてくれています。
残り2ラウンド4レース、少なくとも何度か勝利して、ランキング4位どころかそれ以上を狙って、
来年堂々とF1で戦う姿を期待することにしましょう!
以上、スーパーライセンスポイント新基準の角田選手への影響調査でした。