グランドスラムを達成しながらも、そのシーズンのタイトルを逃したドライバーやチームは存在するのか?

調べてみた
Getty Images / Red Bull Content Pool
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マックスが達成しましたが、その年タイトルを獲れなかったケースなんて無いのでは?

過去のデータを検証して、調べてみました!

 

===

先日の、第9戦オーストリアGP。

あらためてレッドブルとフェルスタッペンの圧勝でしたよね。

とりわけ、フェルスタッペンが自身初のグランドスラムを達成したことが話題になっていました。

 

そんなことを思っていたら、またふとした疑問が頭に湧いてきました。

『グランドスラムって、そのシーズンのチャンピオンドライバーやチームしか達成していないのでは?』

 

グランドスラムは圧勝中の圧勝なので、そのシーズンのチャンピオンしか達成していないような気がしませんか?

うーん、でも大昔にはそんなこともあったような・・・?

 

これは気になってきたので、さっそく調べてみることにします!

 

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年度別 グランドスラム達成ドライバー

年度 ドライバー 達成回数 タイトル
2021 M.フェルスタッペン 1回
2019 L.ハミルトン 1回
2017 L.ハミルトン 3回
2016 N.ロズベルグ 2回
2015 L.ハミルトン 1回
2014 L.ハミルトン 1回
2013 S.ベッテル 2回
2012 S.ベッテル 1回
2011 S.ベッテル 1回
2010 F.アロンソ 1回 ×
2004 M.シューマッハ 2回
2002 M.シューマッハ 1回
1998 M.ハッキネン 2回
1995 D.ヒル 1回 ×
1994 M.シューマッハ 2回
1992 N.マンセル 3回
1991 N.マンセル 1回 ×
1990 A.セナ 2回
1989 A.セナ 1回 ×
1987 G.ベルガー 1回 ×

(調査条件)

  • 1987年以降のシーズンを対象に調査
  • 2021年F1第9戦オーストリアGP終了時点

 

まずはドライバーズタイトルの調査です。

シーズン内にグランドスラムを達成した回数と、そのシーズンのタイトル獲得を〇×で表にしました。

 

1987年から2021年までの35シーズン。

そのうち一度でもグランドスラムが達成されたシーズンは、20シーズン(57.1%)あります。

 

気になる結果は・・・あれれ!?

2021年を除く19シーズンのうち、チャンピオンとなったのが14シーズンしかありません。

率にして73.7%です。

グランドスラムを達成しても、およそ4回に1回はそのシーズンのタイトルを逃しているということ。

これは思った以上にタイトルを逃していることが多いですね・・・。

 

ちなみにここ10年だけで見れば、達成率100%です。

なのでグランドスラム達成=チャンピオンと言うのは、近年のイメージが強かったからかもしれません。

 

年度別 グランドスラム達成チーム

年度 チーム 達成回数 タイトル
2021 レッドブル 1回
2019 メルセデス 1回
2017 メルセデス 3回
2016 メルセデス 2回
2015 メルセデス 1回
2014 メルセデス 1回
2013 レッドブル 2回
2012 レッドブル 1回
2011 レッドブル 1回
2010 フェラーリ 1回 ×
2004 フェラーリ 2回
2002 フェラーリ 1回
1998 マクラーレン 2回
1995 ウィリアムズ 1回 ×
1994 ベネトン 2回 ×
1992 ウィリアムズ 3回
1991 ウィリアムズ 1回 ×
1990 マクラーレン 2回
1989 マクラーレン 1回
1987 フェラーリ 1回 ×

(調査条件)

  • 1987年以降のシーズンを対象に調査
  • 2021年F1第9戦オーストリアGP終了時点

 

次にコンストラクターズチャンピオン編を見てみましょう。

 

こちらの結果も・・・ほとんどドライバーズタイトルと一緒です。

2021年を除く19シーズンで、そのシーズンのコンストラクターズチャンピオンとなったのが14シーズン(73.7%)です。

ドライバーズチャンピオンと同じく、思った以上にタイトルを逃すことが多いですね。

 

なおドライバーズとコンストラクターズで回数は同じ14シーズンですが、

  • 1994年:シューマッハーが〇、ベネトンが×
  • 1989年:セナが×、マクラーレンが〇

ここで入れ子になっています。

 

1シーズン内の達成回数に注目してみると!

回数 年度 ドライバー チーム ドライバーズ コンストラクターズ
3回 2017 L.ハミルトン メルセデス
1992 N.マンセル ウィリアムズ
2回 2016 N.ロズベルグ メルセデス
2013 S.ベッテル レッドブル
2004 M.シューマッハ フェラーリ
1998 M.ハッキネン マクラーレン
1994 M.シューマッハ ベネトン ×
1990 A.セナ マクラーレン
1回 2019 L.ハミルトン メルセデス
2015 L.ハミルトン メルセデス
2014 L.ハミルトン メルセデス
2012 S.ベッテル レッドブル
2011 S.ベッテル レッドブル
2002 M.シューマッハ フェラーリ
1989 A.セナ マクラーレン ×
2010 F.アロンソ フェラーリ × ×
1995 D.ヒル ウィリアムズ × ×
1991 N.マンセル ウィリアムズ × ×
1987 G.ベルガー フェラーリ × ×

予想よりもタイトルを逃している結果に驚いていたのですが。

でももう一度、達成回数に着目してデータを見直してみると・・・?

 

『シーズン内に2回以上達成』で、タイトル獲得率が飛躍的に上がることが読み解けました!

該当8シーズンのうち、なんとドライバーズでは8回で100%、コンストラクターズでは7回で87.5%です!

 

唯一タイトルを獲得できていない1994年のベネトンについても。

このシーズンはベネトンに対して出走停止やポイント略奪など、いまでいうところのFIAによる忖度のようなものがあったシーズンなので(笑)

 

この1994年のコンストラクターズはノーカウントで、ほぼ100%といってもいいかもしれません!

 

マックスとレッドブル、あと1回達成でタイトル濃厚!?

ということで、グランドスラムとタイトル獲得の関連性を調べてきました。

 

今回調べたデータから見えてきたこと。

マックス・フェルスタッペンやレッドブルは、今年中にあと1回グランドスラムを達成すればタイトル獲得濃厚と思って良いということですね!

 

少し前に調べた5連勝するとタイトル獲得する確率がグッと上がることもあるし。

過去の統計データからは、今年はレッドブルとマックスのタイトル獲得が濃厚と示してきています。

 

とはいっても、あくまで少ない母数での統計データです(笑)

今シーズンはまだ14戦も残っていますし、メルセデスもこのまま黙っていないはずです。

 

ただ今回調べたデータからは、グランドスラムとタイトル獲得の関連性があることもわかったので。

ぜひこんな着眼点からも、今後のF1を楽しんでみてはいかがでしょうか!

 

以上、グランドスラム達成ドライバーとチームのタイトル獲得に関する調査でした!

 


F1逃している