面白いデータが公開されましたね。
F1の過去の莫大なデータから、AIが史上最速のドライバーを分析したデータが公開されました。
F1とAWSがタッグを組んで『F1 insights』として、いろんなデータ情報を公開して我々テレビ視聴者を楽しませてくれています。
その一貫として、1年ほどの期間をかけて最速ドライバーの分析をしたそうです。
ちなみに、そのF1運営側で中心となって分析していたのはロブ・スメドレーです。
フェラーリやウイリアムズに居た方ですね。
あのマッサへの『Fernando is faster than you.』という冷酷な無線で有名です。
今は、こんなデータ・サイエンティストみたいなことをやっていたのですね。
さて肝心の分析結果ですが、さすがAIが分析しただけあります。
ファン投票などでは出てこないような興味深い結果となりました。
さっそく見ていくことにしましょう。
1位はやっぱりこの人でした
まず1位ですが、やっぱりこの人アイルトン・セナでした。
今回のデータ分析の算出ロジックとしては、ざっと以下のルールだそうです。
- マシンの性能差は考慮しない
- 予選の対チームメート対決重視で算出
- チームメートの過去チームメートと相対比較
- レースの上手さは考慮しない
- 1983年以降のデータが対象
上記ロジックであれば、まぁ妥当な結果でしょう。
セナがチームメートに予選で負けたのは、プロストやベルガーやハッキネンなど数えれるほどくらいしかないですからね。
データがはじき出したとしても、ファン投票でも、こちらは妥当な1位なのではないかと思います。
コバライネンがフィンランド最速!?
続いて、トップ10がこんな感じです。
ん? むむむ・・・?
なんか違和感が!?
まず、アラン・プロストが居ませんね。
いつも予選から本気のフランスGP以外は、決勝セット重視だったからでしょうか(笑)
20位には入っていました。
あと古いドライバーとしてはマンセルやベルガーは予選だけは速かったイメージなのですが、この2人も入ってないんですね。
それから、最も違和感が、8位がコバライネン!?
コバライネン自体は良いドライバーだと思いますが、同じフィンランドのハッキネンやライコネンを差し置いて8位?
9位のトゥルーリは、まさしく予選番長という感じだったのでまぁわかります。
でもコバライネンは、どちらかというとレース巧者のイメージだったので意外でした。
気になったのでコバライネンの予選成績を調べました
2007年にルノーからF1参戦し、2013年に退くまで112レースに出走したコバライネン。
こちらは2006年のルノーのイベントの際のコバライネンですね。
現在はSUPER GTに出場しているので、日本にも馴染みの深いドライバーです。
並みいるF1チャンピオンたちを差し置いて、8位にランクインしたそのコバライネン。
これはきっとすごい予選対戦結果なんだろうと思って調べてみました。
その対チームメイト予選対戦成績がこちら。
チームメート | 勝ち数 – 負け数 | 勝率 |
---|---|---|
ジャンカルロ・フィジケラ | 9 – 8 | 53% |
ルイス・ハミルトン | 9 – 26 | 26% |
ヤルノ・トゥルーリ | 24 – 13 | 65% |
カルン・チャンドック | 1 – 0 | 100% |
ヴィタリー・ペトロフ | 13 – 7 | 65% |
ロメイン・グロージャン | 0 – 2 | 0% |
生涯通算成績 | 56 – 56 | 50% |
*グリッド降格は反映していません
ふむう、なるほど。
通算成績は、キレイに56勝56敗で五分の結果でした。
ただし、F1キャリア初期の頃の相手がすごい。
まずコバライネンが新人の時のチームメートだったジャンカルロ・フィジケラ。
今回19位にランクされています。
そのフィジケラに新人ながら9勝8敗と勝ち越したのがAIの分析評価ポイントなんでしょう。
次のチームメートは、今回ランク2位のルイス・ハミルトン。
ハミルトンは、新人の時のチームメートだったアロンソを予選成績で上回ってるくらいです。
そのハミルトンに勝率26%で4回に1回は勝っているのがきっとAIに評価されたんでしょう。
そして今回ランク9位の予選番長トゥルーリに、勝率65%だから3回に2回は勝っている。
これもAIによる評価が高そうなポイントですね。
これらが加点されて、8位になったのでしょう。
うーん、なんか納得したような、しないような(笑)
でもこういう事実に基づくビッグデータを、解析してファンに公開してくれるのは嬉しいですね!
F1とAWSが連携するF1 insigthsはまだまだ続いていくようです。
- レース巧者ぶりも踏まえたドライバースキル・レーティング
- フリー走行・予選からレースペースの予測データ
- 各チームのレースごとの開発改善力
などなど、これからもシーズン後半にさらなる展開・公開をする予定です。
おそらくファンそれぞれに思い入れや最速ドライバーは違うでしょう。
でも主観的じゃなくて、このような客観的なデータ分析の観点から、コンピュータがどう考えているのか。
今の時代に即した、新しいF1の楽しみ方なのかもしれませんね!