いろんなことがありすぎて、大荒れに荒れたレース。
最後は、ベテランの巧さが光ったグランプリだったのではないでしょうか!
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2021年F1第6戦アゼルバイジャンGPが終了しました。
レース序盤から中盤にかけては、例年になく淡々と進んでいたように感じていたのですが。
やっぱりバクー市街地コースです、レース中盤以降は今年も大荒れに荒れたレースとなりました。
もういろんなことが起こりすぎて、一言でレースをまとめることができません(笑)
ということで、一つ一つ振り返っていきたいと思います。
ストロールの事故から、動き出したレース
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まずは31周目、このストロールの事故からレースが動き出します。
時速300km/hを超えるスピードで、突然左リアタイヤがバーストという恐ろしい事故。
単独クラッシュで、ウォールへのヒット角度も悪くなかったので幸いストロールは無事でしたが。
もしストロールの真後ろに、トゥに入ったマシンが居るような状況だったら・・・。
考えたくもないような、そんな恐ろしいクラッシュでした。
フェルスタッペン、残り4周の悲劇
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ストロールの事故からのレース再開後も、快調に先頭を走り勝利は確実に思われていたフェルスタッペン。
しかし残りわずか4周の時点で、ストロールと同じようにホームストレートで左リアタイヤがバーストし大クラッシュ。
まさかのリタイアとなってしまいます。
リタイアとなったのは残念極まりないですが。
- すぐ後ろにマシンが居なくて単独事故となったこと
- フェルスタッペンに怪我が無かったこと
不幸中の幸いで、本当に良かったです。
両事故のバーストの原因とも、ピレリからのコメントとしては。
- 『デブリを踏んで、タイヤが傷ついたため』
- 『摩耗が激しい右リアタイヤではなく、左リアタイヤがバーストしたのがその証拠』
だそうですが・・・。
とにかく300km/hを超えるスピードでのクラッシュ、本当に恐ろしいし見たくないです。
タイヤの構造的な問題ではないのか?
本格的な調査を、ピレリには期待したいですね。
そしてもし、本当にデブリが原因なのであれば。
ピレリではなく、FIAに対する期待として。
他車がデブリを踏むようなクラッシュが起きた場合、即座に赤旗中断を決断するなど。
ルール上の対策検討を実施して欲しいところです。
残り2周のレース、1コーナーを制したペレスの勝利!
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そして残り2周で赤旗中断となり、誰もがそのままレース終了かと思っていたら。
まさかの『たった2周の超スプリントレース』として再開されることとなりました。
レースが打ち切りになるためには、再開不可能と思われるような降雨や大事故の場合のみだったはずなので、ルールで仕方ないことなのかもしれませんが・・・。
タイヤバーストの原因が分かっていないということは、レースを再開すれば大事故の可能性があったわけで・・・、と思ってしまいます。
また赤旗が出てレース終了の場合、レース結果は前周の順位で確定します。
なので、『クラッシュしたはずのフェルスタッペンが優勝』ということになって、論争が起こるのを避けたかったという背景もあるかもしれませんね。
そんなこんなで、とにもかくにも再開されたレース。
2番手からハミルトンが絶好のスタートを切るも、1コーナーでコースアウトするという目を疑うシーン。
これにより、ペレスが見事に優勝という形で決着することとなりました。
フジテレビNEXTの中継では解説されていましたが、ハミルトンは攻めすぎてコースアウトしたわけではないようです。
どうやら『マジック・ブレーキ・ボタン』の解除し忘れが原因のようです。
この装置、とても簡単に言うと。
スロー走行時にブレーキをフロントに全振りして、フロントタイヤとブレーキを温めるための装置です。
その解除を、忘れたのか失敗したらしく、結果1コーナーで止まり切れずに珍しくコースアウトとなってしまいました。
ペレスの有言実行、カッコ良すぎ!
シーズン前から、『新しいマシンに慣れるまでに5レースは必要』とコメントしていたペレス。
そして迎えた、第6戦目の今回のレース。
フリー走行では、
『ようやくこのマシンの走り方を理解できた』
というカッコ良いコメントとともに、フェルスタッペンをタイムで上回ってみせたり。
そして予選こそ不運な赤旗のタイミングで6番手スタートとなったものの。
レースでは、後方から見事な追い上げを見せて2位に浮上。
ハミルトンの猛攻を凌いで得た、決して棚ボタではない見事な勝利でした。
本当に6戦目で結果を出したペレス。
有言実行でめちゃくちゃカッコ良かったですし、素直に拍手を送りたいですよね!
ベッテル、ガスリーにも拍手!
そして表彰台を獲得した、この二人にも触れない訳にはいきません。
予選は後方に沈みながらも、見事なペースと戦略で、巧みに上位進出したベッテル。
『さすがはチャンピオン!』という見事な走りで2位表彰台を獲得。
シーズン序盤こそ苦しんでいましたが、やっぱり、こんなに強くて、最高の笑顔のベッテルが見たかった!
この調子で、これからのシーズンも暴れて欲しいですね!
そしてガスリーです。
途中エンジンのトラブルもあって守りの走りをしたり、残り2周のスプリントレースではルクレールと激しくバトルしたりで、見事に3位表彰台を獲得。
この守るところと攻めるところを熟知したかのような、まるでもうベテランの域に達したような走り。
チームメイトの角田選手とはまだまだ経験の差は大きいと感じるような、見事なレースをしてくれました。
角田裕毅、この7位入賞で流れが変わる!
今日は7位フィニッシュ。
赤旗の後、良いポジションにマシンを持っていくことができませんでした。レース全体を見ればポジテイブに思えるのですが、最後のラップが悔しいです。@AlphaTauriF1 としてはとても良い週末になったので、この波に乗って次の3連戦に向けて準備開始です!#YT22 #F1jp pic.twitter.com/b4s3wzBInj— 角田裕毅/Yuki Tsunoda (@yukitsunoda07) June 6, 2021
最後に角田裕毅選手です、自己最高位の7位フィニッシュ!
しかし本人はこのコメントのように、そんなに喜んでないどころか、悔しがっている様子です。
というのも、最後の2周スプリントレースで2台に抜かれたので。
- 『本当なら5位だったはず』
- 『チームメイトが表彰台で悔しい』
レース後のコメントを総括すると、本人はこんな気持ちなのでしょう。
でも最後の2周で、2台に抜かれた理由は経験の差です。
タイヤの温め方、スタートでの位置取りなど、まだまだ学ぶべきことがあるというだけです。
ここ2戦は初めてのコースでした。
でも次戦からは、下位カテゴリで経験したことのあるサーキットでのレースが続きます。
その前に、これまでの序盤戦の悪い流れを断ち切れたという意味でも。
今回は完走して入賞することが重要だったので、とても良い結果だったと誇っていいのではないでしょうか!
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ということで、アゼルバイジャンGPを振り返ってきましたが。
他にもまだまだ振り返りたいことがあるくらい、いろんな出来事が起こり過ぎたグランプリとなりました。
でも、何はともあれ。
時速300km/hを超えるスピードで2人もタイヤバーストでクラッシュして。
誰も怪我人が出なかったことが何より一番です。
F1を楽しむためには、どんなレース展開やオーバーテイクよりも重要なこと。
それは、『安全対策』だと思っています。
今回の事故を風化せず、関係者のさらなる安全向上対策を期待しつつ。
ファンとしては次戦も思う存分、F1を楽しむこととしましょう!
以上、2021年F1第6戦アゼルバイジャンGPの振り返りでした!