いよいよ今週末は2011年以来の開催となるF1トルコGPです。
有名なターン8を近代F1マシンがどう全開で駆け抜けていくのか、楽しみで仕方ないですね!
そして早くも第14戦目にして、ドライバーズチャンピオン決定戦のレースとなります。
ハミルトンとボッタスの差は85ポイントですから、ボッタスは7ポイント以上縮める必要があります。
仮にボッタスが優勝しても、ハミルトンが2位+ファステストラップでチャンピオン決定となり、ボッタスにとってはかなり厳しい条件となります。
もしトルコGPでハミルトンのチャンピオンが決定すれば、残りレースを3戦も残してのタイトル決定となります。
よく考えたら、これは近年では相当早い段階でのタイトル決定になるのでは?
今年は歴史に残るメルセデスW11の圧勝シーズンなので、きっと過去のF1の歴史と比べても相当早いはずなのでは?
これは気になってきたので、さっそく調べてみることにしました!
タイトル決定時『残りレース数』ランキング
ランク | 年度 | チーム | チャンピオン | 残レース数 |
---|---|---|---|---|
1位 | 2002年 | フェラーリ | M.シューマッハ | 6レース |
2位 | 1992年 | ウィリアムズ | N.マンセル | 5レース |
3位 | 2001年 | フェラーリ | M.シューマッハ | 4レース |
2004年 | フェラーリ | M.シューマッハ | 4レース | |
2011年 | レッドブル | S.ベッテル | 4レース | |
6位 | 2015年 | メルセデス | L.ハミルトン | 3レース |
2013年 | レッドブル | S.ベッテル | 3レース | |
1971年 | ティレル | J.スチュワート | 3レース | |
1969年 | マトラ | J.スチュワート | 3レース | |
1965年 | ロータス | J.クラーク | 3レース | |
1963年 | ロータス | J.クラーク | 3レース | |
2020年 | メルセデス | L.ハミルトン | 3レース |
まずドライバーズタイトル決定時の『残りレース数』のランキングを調べてみました。
過去70年にわたるF1の歴史で、『残り3レース以上』を残してタイトル決定した年は11シーズンありました。
ハミルトンはすでに2015年に1度記録していますので、もし今回のトルコGPでタイトルを決めれば、6位タイに2度目の記録として名を連ねることになります。
1992年のマンセルを除いては、シューマッハ、ベッテル、スチュワート、クラークと錚々たるチャンピオンたちが複数回に渡り名を連ねているのが特長ですね。
タイトル決定時『レース消化率』ランキング
ランク | 年度 | チーム | チャンピオン | 決定戦 | 消化率 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 2002年 | フェラーリ | M.シューマッハ | 11戦 / 全17戦 | 64.7% |
2位 | 1992年 | ウィリアムズ | N.マンセル | 11戦 / 全16戦 | 68.8% |
3位 | 1965年 | ロータス | J.クラーク | 7戦 / 全10戦 | 70.0% |
1963年 | ロータス | J.クラーク | 7戦 / 全10戦 | 70.0% | |
5位 | 1971年 | ティレル | J.スチュワート | 8戦 / 全11戦 | 72.7% |
1969年 | マトラ | J.スチュワート | 8戦 / 全11戦 | 72.7% | |
7位 | 1957年 | マセラッティ | J.M.ファンジオ | 6戦 / 全8戦 | 75.0% |
1952年 | フェラーリ | A.アスカリ | 6戦 / 全8戦 | 75.0% | |
9位 | 2001年 | フェラーリ | M.シューマッハ | 13戦 / 全17戦 | 76.5% |
10位 | 2004年 | フェラーリ | M.シューマッハ | 14戦 / 全18戦 | 77.8% |
1966年 | ブラバム | J.ブラバム | 7戦 / 全9戦 | 77.8% | |
1954年 | メルセデス | J.M.ファンジオ | 7戦 / 全9戦 | 77.8% | |
1953年 | フェラーリ | A.アスカリ | 7戦 / 全9戦 | 77.8% | |
14位 | 2011年 | レッドブル | S.ベッテル | 15戦 / 全19戦 | 78.9% |
15位 | 2020年 | メルセデス | L.ハミルトン | 14戦 / 全17戦 | 82.4% |
16位 | 1972年 | ロータス | E.フィッティパルディ | 10戦 / 全12戦 | 83.3% |
17位 | 2015年 | メルセデス | L.ハミルトン | 16戦 / 全19戦 | 84.2% |
18位 | 2013年 | レッドブル | S.ベッテル | 16 戦/ 全19戦 | 84.2% |
でも今年2020年は、近年では少ない全17戦の開催となります。
さらに1960~70年代はもっとレース数は少なかったので、レース数の違いを考慮する必要があります。
なので単純に残りレース数だけではなく、『年間全レースの消化率』でランキングして、年間レース数の85%より早くチャンピオンになったケースを並べてみました。
もし次戦トルコGPでハミルトンがタイトル決定すると、この中では赤字の15位に飛び込んでくることになります。
もっと上位に来るのかと思っていたのですが、意外な順位であることが解りました。
年代によるポイントシステムの違いの差?
今年はもっとハミルトン圧勝のシーズンなのかと思いましたが、チャンピオン決定の残レースという観点では、意外にそうでもなかったことが解ってきました。
要因を考えてみました。
まず1960年代以前は年間10戦にも満たなかったので、1戦に占める割合が高すぎることもあります。
そして、ポイントシステムの年代による違いが大きく左右するためでしょう。
- 1990年まで、1位:9pt、2位:6pt。2位との差は33%。
- 1991~2002年まで、1位:10pt、2位:6pt。2位との差は40%。
- 2003~09年まで、1位:10pt、2位:8pt。2位との差は20%
- 2010年以降、1位:25pt、2位:18pt。2位との差は28%
圧勝を繰り返しても2位とのポイント差が小さい場合には差がつきにくくなり、結果的にタイトル決定が遅くなります。
なので同じ圧勝続きのシーズンでも、1位と2位のポイント差が大きい2002年以前は決定レースも早まるはずで、逆にポイント差が小さい2003~09年や2010年以降が決定レースは遅くなるはずですよね。
また1位で貰えるポイントや3位以下とのポイント比率も年代によって異なっているので、チャンピオン決定戦の時期は、ポイントシステムの違いの影響が大きいことが解りました。
それでも歴史に残る圧勝シーズンに変わりはない!
しかし今回調べたランキング表を見ると、歴史に残る名車+チャンピオンの組み合わせばかりであることが解ります。
今年のメルセデスW11+ハミルトンの組み合わせは、史上最多勝を記録し、おそらく7度目のワールドチャンピオンも記録し、きっと後世にも語り継がれていく年なのでしょう。
そんなF1の歴史を見ていることに幸せを感じつつ、次戦トルコGPでのチャンピオン決定戦を楽しみに見守ることにしたいと思います!
以上、ドライバーズチャンピオン決定戦時期の調査でした!