今年の表彰台登壇人数を、直近20年間と比較してみました。
先日のトルコGPで、ペレスとベッテルが今シーズン初表彰台を達成しました。
ペレスは新型コロナ感染、ベッテルもこれまで散々なシーズンだったので、ファンにとっても見ていてとても嬉しい表彰台でした。
その表彰台を見ていて、ふと思ったことが。
キャリア初表彰台や久しぶりの表彰台など、今シーズンは多くのドライバーが表彰台に登っている気がします。
数えてみたら12名もいて、これって近年のシーズンではかなり多い気がします。
これは気になってきたので、さっそく以下の条件でデータで調べてみることにしました。
(調査条件)
- 表彰台登壇人数と、全ドライバーに対する登壇率を調査します。
- レギュラードライバーのみと、スポット参戦も含めた全ドライバーとで登壇率は調査します。
- 1990年代以前はスポット参戦ドライバーが多いため、2000年以降を調査対象とします。
- スポット参戦の定義は、年間レース数の半数以下の参戦数とします。
年間表彰台登壇ドライバー(2010年代との比較)
レギュラードライバーのみ
年度 | 表彰台登壇 | ドライバー数 | 登壇率 |
---|---|---|---|
2020年 | 12人 | 20人 | 60.0% |
2019年 | 8人 | 20人 | 40.0% |
2018年 | 7人 | 20人 | 35.0% |
2017年 | 7人 | 20人 | 35.0% |
2016年 | 9人 | 22人 | 40.9% |
2015年 | 10人 | 20人 | 50.0% |
2014年 | 10人 | 22人 | 45.5% |
2013年 | 8人 | 22人 | 36.4% |
2012年 | 13人 | 24人 | 54.2% |
2011年 | 7人 | 24人 | 29.2% |
2010年 | 8人 | 24人 | 33.3% |
全ドライバー(スポット参戦含む)
年度 | 表彰台登壇 | ドライバー数 | 登壇率 |
---|---|---|---|
2020年 | 12人 | 21人 | 57.1% |
2019年 | 8人 | 20人 | 40.0% |
2018年 | 7人 | 20人 | 35.0% |
2017年 | 7人 | 25人 | 28.0% |
2016年 | 9人 | 24人 | 37.5% |
2015年 | 10人 | 22人 | 45.5% |
2014年 | 10人 | 24人 | 41.7% |
2013年 | 8人 | 23人 | 34.8% |
2012年 | 13人 | 25人 | 52.0% |
2011年 | 7人 | 28人 | 25.0% |
2010年 | 8人 | 27人 | 29.6% |
まず直近10年間である2010年代と比較してみました、今年よりも上回っているところが黄色い枠です。
やはりメルセデスの連覇が始まった2014年以降では、今年2020年が表彰台登壇人数が最も多いことが解ります。
それより以前に目を向けると、なんと2012年は今年よりも登壇人数が多いことが解りました。
2012年と言えば、開幕から7戦連続して勝者が異なるというとても珍しいシーズンで、勝者だけでも年間8名もいるので、これは納得のデータです。
しかし当時は12チーム・24名がレギュラードライバーだったので、比率で見ると今年2020年の方が多くのドライバーが表彰台に登壇していることが解りますね。
年間表彰台登壇ドライバー(2000年代との比較)
レギュラードライバーのみ
年度 | 表彰台登壇 | ドライバー数 | 登壇率 |
---|---|---|---|
2020年 | 12人 | 20人 | 60.0% |
2009年 | 13人 | 20人 | 65.0% |
2008年 | 14人 | 20人 | 70.0% |
2007年 | 8人 | 22人 | 36.4% |
2006年 | 12人 | 21人 | 57.1% |
2005年 | 12人 | 20人 | 60.0% |
2004年 | 9人 | 20人 | 45.0% |
2003年 | 10人 | 20人 | 50.0% |
2002年 | 7人 | 22人 | 31.8% |
2001年 | 10人 | 22人 | 45.5% |
2000年 | 7人 | 22人 | 31.8% |
全ドライバー(スポット参戦含む)
年度 | 表彰台登壇 | ドライバー数 | 登壇率 |
---|---|---|---|
2020年 | 12人 | 21人 | 57.1% |
2009年 | 13人 | 25人 | 52.0% |
2008年 | 14人 | 22人 | 63.6% |
2007年 | 8人 | 26人 | 30.8% |
2006年 | 12人 | 27人 | 44.4% |
2005年 | 13人 | 27人 | 48.1% |
2004年 | 9人 | 25人 | 36.0% |
2003年 | 10人 | 24人 | 41.7% |
2002年 | 7人 | 23人 | 30.4% |
2001年 | 10人 | 26人 | 38.5% |
2000年 | 7人 | 23人 | 30.4% |
次に、2000年までの10年間を振り返ります。
レギュラードライバーでの比較を見ると、なんと2008年と2009年が今年2020年よりも多くの人数が表彰台に登壇し、登壇率も上回っていることが解りました。
ちょうどフェラーリ黄金時代からレッドブル黄金時代への過渡期であること、
そしてまだ当時はマシントラブル等でトップチームのリタイアが今の時代よりも多かったため、このようなデータとなったのではないでしょうか。
スポット参戦も含めて見てみると、2005年はサンマリノGPにモントーヤの代役でスポット出場したアレクサンダー・ヴルツが、BARの失格などもあり見事に3位の結果を達成しています。
なのでスポット参戦も含むと、2005年は今年より登壇人数が上回っていることが解ります。
年間表彰台登壇チーム(2000~2019年の比較)
年度 | 表彰台登壇 | チーム数 | 登壇率 |
---|---|---|---|
2020年 | 7チーム | 10チーム | 70.0% |
2019年 | 5チーム | 10チーム | 50.0% |
2018年 | 4チーム | 10チーム | 40.0% |
2017年 | 4チーム | 10チーム | 40.0% |
2016年 | 5チーム | 11チーム | 45.5% |
2015年 | 6チーム | 10チーム | 60.0% |
2014年 | 6チーム | 11チーム | 54.5% |
2013年 | 4チーム | 11チーム | 36.4% |
2012年 | 7チーム | 12チーム | 58.3% |
2011年 | 4チーム | 12チーム | 33.3% |
2010年 | 5チーム | 12チーム | 41.7% |
2009年 | 8チーム | 10チーム | 80.0% |
2008年* | 9チーム | 10チーム | 90.0% |
2007年 | 6チーム | 11チーム | 54.5% |
2006年 | 7チーム | 11チーム | 63.6% |
2005年 | 7チーム | 10チーム | 70.0% |
2004年 | 5チーム | 10チーム | 50.0% |
2003年 | 6チーム | 10チーム | 60.0% |
2002年 | 4チーム | 11チーム | 36.4% |
2001年 | 7チーム | 11チーム | 63.6% |
2000年 | 5チーム | 11チーム | 45.5% |
*2008年途中撤退したスーパーアグリは含まず
ドライバーだけではなく、表彰台登壇チーム数との相関も調べてみました。
今年2020年は7チームが表彰台を経験しています。
結果はご覧の通りやはりドライバー数と同様の傾向で、2020年は近年では最も多いシーズンですが、2008年と2009年の方が表彰台経験チーム数・登壇率ともに高い結果となりました。
特に2008年は、参戦10チーム中、フォースインディアを除く9チームが表彰台を経験するという驚異のシーズンとなっています。
ベッテルのイタリアGPでの初優勝・初表彰台や、ブラジルGPでの波乱のチャンピオン決定など、劇的なシーズンに相応しいデータであることが解りましたね(笑)
2008年の最多人数まであと2人、オコンとクビアトに期待!
いかがだったでしょうか。
2008年の大波乱のシーズンには及ばないものの、2020年は近年では表彰台登壇のドライバー数・チーム数ともにとても多いシーズンであることがデータで解りました。
コンストラクターズ選手権の激しい3位争いが表しているように、トップ3チームの構図が崩れ、フェラーリ2台とレッドブルの1台が失速した結果、多くのドライバーが表彰台を獲得しているシーズンと言えるのではないでしょうか。
今年表彰台を経験している7チームのうち、まだ今年表彰台未登壇ドライバーが、オコンとクビアトです。
オコンはいつも良い時に限ってトラブルが多かったし、クビアトもイモラでは表彰台寸前の4位まで獲得しているので、まだまだ残り3レースで表彰台の可能性はあると思います。
この2人が意地を見せて残り3レースで表彰台を獲得できるのか、はたまたハースやアルファロメオなどのドライバーが初表彰台を獲得となるのか。
あと2名で2008年の記録に並ぶので、このデータも楽しみに、残り3レースを見たいと思います!
以上、2020年の表彰台登壇数についての調査でした!