注目のデビュー戦、1周目でスピン・リタイアしたニキータ・マゼピン。
同じように、F1デビュー戦で1周目リタイアしたドライバーを調べてみました!
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シーズンオフに起こした騒動を挽回する走りができるのか、開幕戦で注目していたニキータ・マゼピン。
しかし金曜日からマシンバランスに苦しみ、フリー走行や予選で何度もスピンを繰り返します。
そしてレースでも、スタート直後の1周目3コーナーでスピンし早々にリタイア、散々なデビューレースとなりました。
これを見ていて、『そういえばミック・シューマッハの父ミハエルも、デビュー戦は1周目リタイアだったよなー』、と思い出してしまいました。
でもそれ以外は、デビュー戦で1周目にリタイアなんて、ほとんどなかったような?
これまでのF1の歴史で、こんなケースはどれくらいあったのか?
気になってきたので、さっそく調べてみることにしました!
『デビュー戦、1周目にリタイア』 ドライバー一覧
年度 | GP | ドライバー | チーム |
---|---|---|---|
1991年 | ベルギーGP | M.シューマッハ | ジョーダン |
1993年 | イタリアGP | M.アピチェラ | ジョーダン |
2002年 | オーストラリアGP | F.マッサ | ザウバー |
2002年 | オーストラリアGP | A.マクニッシュ | トヨタ |
2021年 | バーレーンGP | N.マゼピン | ハース |
(調査条件)
- 1987年以降にデビューしたF1ドライバーを調査
1987年以降の同様のケースを、年度、該当GP、ドライバー、チームが解るように一覧にしました。
今回のマゼピンの1周目リタイアは、1987年以降では19年ぶり5人目のケースであることが判明しました!
19年ぶりですからやはり思った以上に少ないですよね、単純計算では7年に一度ほどしか発生しない珍記録です。
やはり話題に事欠かないマゼピン、こんな珍記録でもいきなり目立つ結果となっています(笑)
マゼピン以外の4件はどんなレースだったのか、順に見ていくことにします。
ミハエル伝説の始まり、1991年ベルギーGP
1991年ベルギーGP、ミックの父ミハエル・シューマッハがデビューした伝説のレースです。
古くからのファンには、もう説明不要ですよね!
初めて乗るマシンながらチームメイトのチェザリスを上回り、トップチームとは差があるマシンにも関わらず予選で驚異の7番手タイムを叩き出します。
そしてレースではスタートも決めて6番手に上がったその矢先、オー・ルージュの坂を駆け上がったところでマシンがストップし、1周目でリタイアしてしまいます。
ちなみにレース終盤、同じマシンに乗るチームメイトのチェザリスが2位に上がり、トップのセナを追いかけまわしていました(結果はトラブルでリタイア)。
もしあのままミハエルにマシントラブルがなかったら、いきなり優勝とか表彰台とか、さらに凄い伝説のレースになっていたかもしれません。
そんなオールドファンの妄想を掻き立てる、伝説のレースでした。
唯一参戦のF1レースは800mで終了、1993年イタリアGP
Although it was a brief career, it was not the shortest in #F1 history. pic.twitter.com/8xKFzvFr2z
— Astonishing F1 (@Formula1Frenzy) March 26, 2021
続いては、1993年のイタリアGP。
当時、全日本F3000選手権に参戦し日本でもお馴染みだったマルコ・アピチェラ。
前戦で引退したティエリー・ブーツェンに代わり、このイタリアGPにスポット参戦します。
しかし結果はこちらの動画の通り、スタート直後の1コーナー進入での多重クラッシュに巻き込まれてリタイア。
アピチェラにとっては、生涯最初で最後のF1レースがたった800メートルで終わってしまいました。
相当悔しかったでしょうが、参戦台数の多かった当時は予選落ちでレースに一度も出られないドライバーも多かった時代です。
なので、800メートルと言えども良い経験となったのではないでしょうか。
その証拠に、アピチェラは翌年1994年には見事に全日本F3000チャンピオンを獲得しています!
多重クラッシュに巻き込まれた新人2人、2002年オーストラリアGP
Start crash, 2002 Australia #F1 pic.twitter.com/tEPjWYCiOJ
— F1 in the 2000s (@CrystalRacing) February 12, 2021
最後は2002年オーストラリアGP。
このレースがデビューとなる、フェリペ・マッサとアラン・マクニッシュ。
しかしこの動画の通り、レース開始直後の恐ろしい多重クラッシュに巻き込まれてしまいます。
このルーキー2人を含めて、なんと1周目で8台ものマシンがリタイアすることになります。
ちなみに、このレースは日本期待の佐藤琢磨のデビューレースでもありました。
予選では急に雨に見舞われる不運もあり最後尾だったものの、この多重クラッシュをうまくすり抜け、入賞の期待も高まりました。
しかし残念ながら、レース序盤にマシントラブルでリタイアとなってしまいます。
そして残ったもう一人のルーキー、マーク・ウェバーが最下位チームのミナルディで5位入賞というミラクルなレースとなるのでした。
こうやって振り返ると、ルーキーの明暗が大きく分かれたレースでしたね!
マゼピン、もう少し様子を見てみましょう!
『F1デビュー戦、1周目にリタイア』したドライバーの歴史を振り返ってきました。
1987年以降では4名のドライバーしか該当しない珍記録ですが、でもそのうち2人がその後F1で勝利するドライバーに成長しています。
開幕戦では悪い意味でとても目立ってしまったマゼピン、このままこの情けない走りを繰り返せば、本当にただのお騒がせドライバーで終わってしまいます。
まだ見限るのは早いかと思うので、もう少し様子を見てみたいと思います。
今回のレース結果はあまり気にせず、気持ちを切り替えて今後のレースで挽回してもらいましょう。
そして『ダークヒーロー』『ヒール役』として、F1界に特殊な存在として名を馳せるような活躍を期待したいと思います!
以上、『F1デビュー戦で1周目にリタイア』ドライバーの調査でした!