過去の好調だったシーズンから鑑みて、今年ベッテルが復活するためには。
ストロールとの予選対決で勝率75%程度が欲しいところ!
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いつものように、F1関連のニュースを見ていたら。
海外のサイトで、こんな記事を発見しました。
『ベッテルは、チームメイトのストロールを打ち破らないと、キャリアは終焉を迎えるだろう』
記事を読んでみると、『強いチームメイトと組んだ時に必ず問題が発生している』と。
確かに、リカルドやルクレールと組んだ時には、好調時の速さや強さが嘘のように不調に喘いでいたような気もします。
これまでベッテルのチームメイトは7人います。
ちゃんと調べたことがなかったので、ベッテルの対チームメイト戦績と、シーズン戦績の相関を調べてみることにしました!
(調査条件)
- 予選成績と年間成績にわけて、対戦データをまとめます。
- 数字は左がベッテル、右がチームメイト。
- 負け越している数字を緑色にします。
- 予選勝敗は、エンジン交換などによるグリッド降格を考慮せず、降格前の予選順位でカウントする。
VS ニック・ハイドフェルド(2007年 1戦のみ)
予選対戦成績
年度 | 予選勝敗 | 勝率 | PP回数 |
---|---|---|---|
2007年 | 0勝 – 1敗 | 0% | 0回 – 0回 |
年間成績
年度 | ポイント | ランキング | 優勝回数 |
---|---|---|---|
2007年 | 1pt – 0pt | – | 0回 – 0回 |
まずベッテルの最初のチームメイトは、ニック・ハイドフェルドです。
ただし前戦カナダGPで負傷欠場したクビサの代役で、2007年アメリカGPでデビューしたため、
チームメイトだったのはこの1戦のみです。
予選で7番手となり周囲を驚かせたベッテルですが、さすがにハイドフェルドはこれを上回る5番手で貫禄を見せます。
しかし決勝では、ベッテルが着実に8位で初ポイントを挙げ、類い稀な才能の片鱗を示したレースとなりました。
VS ヴィタントニオ・リウッツィ(2007年 7戦のみ)
予選対戦成績
年度 | 予選勝敗 | 勝率 | PP回数 |
---|---|---|---|
2007年 | 3勝 – 4敗 | 42.9% | 0回 – 0回 |
年間成績
年度 | ポイント | ランキング | 優勝回数 |
---|---|---|---|
2007年 | 5pt – 3pt | 14位 – 18位 | 0回 – 0回 |
この年、第11戦ハンガリーGPからトロ・ロッソのレギュラードライバーとなったベッテル。
シーズン終了まで、7戦の間チームメイトとなったのが、リウッツィです。
すでに2年近くのキャリアだったリウッツィに対して、予選対戦成績は負け越してしまいます。
しかしレースでは、中国GPの4位が光り、年間ポイントでリウッツィを上回ります。
この成績が認められ、翌年からトロ・ロッソの正ドライバーとしてフル参戦となります。
VS セバスチャン・ブルデー(2008年)
予選対戦成績
年度 | 予選勝敗 | 勝率 | PP回数 |
---|---|---|---|
2008年 | 13勝 – 5敗 | 72.2% | 1回 – 0回 |
年間成績
年度 | ポイント | ランキング | 優勝回数 |
---|---|---|---|
2008年 | 35pt – 4pt | 8位 – 17位 | 1回 – 0回 |
初のフル参戦となった2008年。
チームメイトは同じファーストネーム、セバスチャン・ブルデー。
ご覧のように、予選・決勝とも圧倒的にチームメイトを上回ります。
中でも、イタリアGPでのポール・トゥ・ウィンによる初勝利がこの年のハイライトですよね。
この活躍により、翌年からレッドブルに移籍し、ベッテルの黄金時代がやってきます。
VS マーク・ウェバー(2009~13年)
予選対戦成績
年度 | 予選勝敗 | 勝率 | PP回数 |
---|---|---|---|
2009年 | 15勝 – 2敗 | 88.2% | 4回 – 1回 |
2010年 | 12勝 – 7敗 | 63.2% | 10回 – 5回 |
2011年 | 16勝 – 3敗 | 84.2% | 15回 – 3回 |
2012年 | 11勝 – 9敗 | 55.0% | 6回 – 1回 |
2013年 | 17勝 – 2敗 | 89.5% | 9回 – 2回 |
合計 | 71勝 – 23敗 | 75.5% | 44回 – 12回 |
年間成績
年度 | ポイント | ランキング | 優勝回数 |
---|---|---|---|
2009年 | 84pt – 69.5pt | 2位 – 4位 | 4回 – 2回 |
2010年 | 256pt – 242pt | 1位 – 3位 | 5回 – 4回 |
2011年 | 392pt – 258pt | 1位 – 3位 | 11回 – 1回 |
2012年 | 281pt – 179pt | 1位 – 6位 | 5回 – 2回 |
2013年 | 397pt – 199pt | 1位 – 3位 | 13回 – 0回 |
合計 | 1410pt – 947.5pt | – | 38回 – 9回 |
レッドブルに移籍して、チームメイトになったのがマーク・ウェバー、元予選番長です。
しかしそのウェバーを、予選では5年間で75%を超える勝率で上回っているのが凄い記録です。
年間成績でも、ポイント、ランキング、優勝回数もすべて上回っていることがわかります。
ちなみにベッテルは2010~14年まで4度チャンピオンとなりますが、そのうち最終戦まで勝敗が縺れたのが2010年と2012年。
興味深いことに、この2年の予選勝率は2010年:63%、2012年:55%と、他の年は80%を越えているのに比べると悪い数字となっています。
チームメイトやライバルに予選で圧勝し、決勝レースでもそのまま逃げ切るという、
この頃のベッテルのレーススタイルが数字によく表れているのかもしれませんね!
VS ダニエル・リカルド(2014年)
予選対戦成績
年度 | 予選勝敗 | 勝率 | PP回数 |
---|---|---|---|
2014年 | 7勝 – 12敗 | 36.8% | 0回 – 0回 |
年間成績
年度 | ポイント | ランキング | 優勝回数 |
---|---|---|---|
2014年 | 167t – 238pt | 5位 – 3位 | 0回 – 3回 |
引退したウェバーに代わり、チームメイトになったのがダニエル・リカルド。
この2014年、ベッテルはフル参戦してから初めてチームメイトに予選で負け越し、優勝もできなかったシーズンとなってしまいます。
特にリカルドが3回も優勝しているので、完敗と言わざるを得ない成績となりました。
リカルドの実力に驚いたのと、あのベッテルがこうも完敗するなんて信じられなかったです。
なので、翌年以降もこの二人のチームメイト対決が見たかったのですが。
この年を最後にベッテルはレッドブルを去り、フェラーリに移籍することになります。
VS キミ・ライコネン(2015~18年)
予選対戦成績
年度 | 予選勝敗 | 勝率 | PP回数 |
---|---|---|---|
2015年 | 15勝 – 4敗 | 78.9% | 1回 – 0回 |
2016年 | 10勝 – 11敗 | 47.6% | 0回 – 0回 |
2017年 | 15勝 – 5敗 | 75.0% | 4回 – 1回 |
2018年 | 17勝 – 4敗 | 81.0% | 5回 – 1回 |
合計 | 57勝 – 23敗 | 71.3% | 10回 – 2回 |
年間成績
年度 | ポイント | ランキング | 優勝回数 |
---|---|---|---|
2015年 | 278pt – 150pt | 3位 – 4位 | 3回 – 0回 |
2016年 | 212pt – 186pt | 4位 – 6位 | 0回 – 0回 |
2017年 | 317pt – 205pt | 2位 – 4位 | 5回 – 0回 |
2018年 | 320pt – 251pt | 2位 – 3位 | 5回 – 1回 |
合計 | 1127pt – 792pt | – | 13回 -1回 |
失意のシーズンから心機一転、フェラーリに移籍した2015年。
ライコネンとチームメイトとなり、予選成績も年間成績も圧倒的に上回り、3勝をあげて復活を遂げます。
しかし2016年は、メルセデス勢との圧倒的な戦力差により一転未勝利に。
予選については、なんとライコネンに負け越してしまいます。
そして2017~18年はまたライコネンを圧倒的に上回り、メルセデスのハミルトンとチャンピオン争いを演じるものの、惜しくもチャンピオンは獲れませんでした。
ここで興味深いのは、唯一未勝利だった2016年だけ、ライコネンに予選成績で負け越している点です。
予選成績が良くないから、レースの成績が悪いのか?
レースの成績が悪いから、予選でも力を発揮できないでいるのか?
どちらか解かりませんが、ウェバーの時と同じように、
チームメイトとの予選対戦成績が、年間成績に影響を及ぼしているのが面白いですね!
VS シャルル・ルクレール(2019~20年)
予選対戦成績
年度 | 予選勝敗 | 勝率 | PP回数 |
---|---|---|---|
2019年 | 9勝 – 12敗 | 42.9% | 2回 – 6回 |
2020年 | 4勝 – 13敗 | 23.5% | 0回 – 0回 |
合計 | 13勝 – 25敗 | 34.2% | 2回 – 6回 |
年間成績
年度 | ポイント | ランキング | 優勝回数 |
---|---|---|---|
2019年 | 240pt – 264pt | 5位 – 4位 | 1回 – 2回 |
2020年 | 33pt – 98pt | 13位 – 8位 | 0回 – 0回 |
合計 | 273pt – 362pt | – | 1回 – 2回 |
移籍したライコネンに代わり、チームメイトになったのがシャルル・ルクレール。
この2019~20年は、予選・年間成績ともに、単年でも通算でも、ほぼすべてチームメイトに負け越しています。
ベッテルにとって、これまで経験したことのない屈辱の2年間と言えるのではないでしょうか。
もちろんルクレールが素晴らしいドライバーで、将来のチャンピオン候補であることは間違いないのですが、それにしてもこれまでの実績からは考えられないような負けっぷり。
特にあれだけ強かった予選、順位もさることながら、
タイムもコンスタントに毎戦0.5秒ほど差をつけられていたことがショックでした。
対チームメイト 通算成績
予選対戦成績
年度 | 予選勝敗 | 勝率 | PP回数 |
---|---|---|---|
通算 | 164勝 – 94敗 | 63.6% | 57回 – 20回 |
年間成績
年度 | ポイント | ランキング | 優勝回数 |
---|---|---|---|
通算 | 3018pt – 2346.5pt | – | 53回 – 15回 |
最後にすべてを合計した、これまでのセバスチャン・ベッテルのF1レース合計258戦の対チームメイト通算成績です。
予選のチームメイトに対する勝率は63.6%です。
ちなみにルイス・ハミルトンは、昨年の調査時には65.1%だったので、これは凄い数字ですよね。
年間レース成績も、トータルでみれば、ポイント数や優勝回数も圧倒的にチームメイトを上回っています。
しかし今回調査してみて、相手やシーズンによって好不調の波が激しいことがわかりました。
また年間成績は、チームメイトとの予選対決に影響しているデータにもなっていましたよね。
なので、今シーズンのベッテルに対する期待としては。
黄金時代の数字を鑑みると、このあたりが目標になってくるでしょうか?
『対チームメイト予選勝率:75%程度』
今年の相手は、ただのお坊ちゃまドライバーではなく、昨年ポールポジションを獲るまでに成長したストロールです。
相手にとって不足は有りませんので、この数字が達成できればベッテル復活といって良いのではないでしょうか。
ベッテルの復活を信じて、期待して楽しむこととしましょう!!
以上、セバスチャン・ベッテルのチームメイト対戦成績調査でした!