最後にメルセデス勢が二人ともパンクするという大波乱だったイギリスGP。
最後のこのドラマが強烈なインパクトだったせいか、もう一度レースを見直してみて、あることを思い出しました。
『そういえばHaasがまた面白いギャンブルやってたなぁ』。
ハンガリーGPでは、スタート直後にドライタイヤに変更するギャンブルを実行し、見事に貴重な1ポイントを獲得したHaasチーム。
これに味をしめたのか、今回もなかなかな戦略だったと思うので、振り返ってみようと思います。
きっかけは13週目のセーフティカー
まずHaasチームのマグヌッセンは残念ながらアルボンと接触し早々にリタイアしてしまいました。
なので、今回はグロージャン1台でのギャンブルとなります。
2台とも同じ作戦だったら、もっと面白い結果になっていたかもしれません。
スタートで17位から14位までポジションをあげたグロージャン。
きっかけは、13週目のクビアトのクラッシュによるセーフティカーでした。
ピレリのハードタイヤが40周程度は走れるというデータから、各車軒並みピットイン。
早々にハードタイヤに切り替えます。
ところがそんな中、ただ1台、グロージャンだけがなんとそのままステイアウト。
結果、ハミルトン、ボッタス、フェルスタッペン、ルクレールに続く5番手でレースが再開されます。
公式Twitterもギャンブルを応援
(引用元:Haas F1 Team 公式Twitter)
ここからがギャンブルタイムですね、その時の公式ツイッターがこちらです。
オール or ナッシング、ギャンブルやったるぜ、って感じでとても面白かったです(笑)
でもただのギャンブルではなくて、なかなかいい作戦かも。
- ミディアムタイヤで出来るだけ引っ張る
- 後続が縦長の展開になることを祈る
- ピットストップして10位あたりに戻りたい
という作戦ですね、なかなか悪い作戦じゃないように思います。
惜しむらくは、2台揃っていれば、後ろのクルマが渋滞を作ってもっと縦長になるようにコントロールもできたのかもしれません。
これぞグロージャン、なブロック(笑)
そしてここから、容赦ないグロージャンのブロック祭りが始まります(笑)
サインツも非難していましたし、実際にレースでは白黒旗が出されてしまいます。
白黒旗というのは、スポーツマンシップに反する行為があった時に出されるフラッグです。
この旗が出たとき、無線でグロージャンは「ちゃんとスペース空けてるのに!」って怒ってましたね。
いやいや、スペースの問題じゃないってば(笑)
今回の場合は進路を急に変えることが問題でしたね。
前車を抜きにかかろうとした、まさにその時に急に進路を変える行為。
これは下手をすると前車のタイヤに乗り上げて宙を舞うクラッシュにつながりかねません。
決してブロックラインを通るのが悪いわけじゃなく、オーバーテイクのアクションを取るときに進路を変えるのは危険極まりないので、これはいただけません。
これも時代なんでしょう。
古い時代から見てきたコアなファンは、もっとひどいブロックを見てきていますよね(笑)
なのでこれくらいはセーフなのでは、と心のどこかで思ってしまいますけど。
結果は、残念ながら16位フィニッシュ
レースが19周目に再開されます。
なんと37周までピットストップを引っ張り、5位から7位まで落ちるものの好位置をキープ。
上位進出の期待も高まりましたが、残念ながらピットストップでギアが入らないという痛恨のアクシデント。
16位完走という地味な結果に終わってしまいました。
もしピットストップでミスがなければ、終盤のパンク祭りもあってもしかしたら10位を狙えていたかもしれませんね。
次戦はより柔らかいタイヤセットになるので、2ストップが主流と予想されています。
そんな中、セーフティカー狙いで1ストップを決行したりするギャンブルに、また出るかもしれませんね。
F1って上位争いだけではなく、こういう下位チームがギャンブルして少しでも上位を狙おうってところがまた面白いところだと思っています。
雨でもない今回のレースでこんなギャンブルしてくるなんて、ちょっとHaasチームが好きになりました(笑)
ここのところギャンブル続きなHaasチーム、次はどんなギャンブルをしてくるのか。
注目して見てみることにしましょう!