テレビ中継にはほとんど映りませんでしたが(笑)
秀逸なタイヤマネジメントと一貫したハイペースは、ここまでのベストレースでした!
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2021年F1第10戦イギリスGP。
まだまだハミルトンとフェルスタッペンのクラッシュ関連のニュースやSNSが騒がしいですよね。
今回のクラッシュについての管理人の考えは昨日の記事で書いたので。
今日は、角田裕毅選手のイギリスGPを振り返りたいと思います。
テレビ中継でもあまり映らなかったので。
『前車にいろいろトラブルが起きて、運が良くて10位ポイント獲得だったんでしょ?』
と思われているファンの方も、もしかしたら多いのではないでしょうか。
でも、レース中のラップタイミングから見えてきたことは!
成長を感じさせる走りを、随所で魅せてくれていました。
順位は10位と、アゼルバイジャンGP7位やバーレーンGP9位には及びませんが。
管理人としては、間違いなく今年これまでのベストレースだったと思っています!
そんな角田選手のイギリスGP決勝レース、振り返ってみることにしましょう!
第1スティント、18周目までは我慢のレース
角田選手のスタート順位は16番手。
オーバーテイクの難しいシルバーストンサーキットでは、正直かなり厳しいスタート順位。
しかもピットスタートとなったペレスを除いて、全車ミディアムタイヤでのスタート。
そのためペース差も大きくならないので、ますますオーバーテイクは期待できない状況でした。
スタート後は、予想通りウィリアムズのラッセルの後方1秒以内にずっと封じ込められます。
フジテレビNEXTの川井さん曰く、
『このサーキットでは、1周1.8秒以上の差が無いとコース上では抜けない』
のだとか。
なのでいつものアルファタウリの戦略であれば。
抜けない状況を打破するために、早めのピットインで前車をアンダーカットする戦略に出るのかと思っていました。
例えばフランスGPもそれで失敗したよなぁ、とややネガティブに観ていたのですが。
しかし、結果は真逆でした(笑)
ラッセルがタイヤ交換でピットインした直後、爪を隠していた角田選手が素晴らしい走りを魅せます。
怒涛のペースに、タイヤマネジメントの成長を感じた!
ラッセルがピットインして前が開け、まず19周目から怒涛のペースアップ。
それまで1分34秒台で周回していたのに、1秒以上速い1分33秒台前半のラップを連発します。
しかしすぐにアルファロメオのジョビナッツィに追いついてしまい、またも封じ込まれます。
でも幸い、そのジョビナッツィも25周目にピットイン。
そこから再びペースアップ!
なんとチームメイトのガスリーよりも速い1分32秒台のラップを連発。
そして誰よりも遅い30周目、ようやくタイヤ交換で角田選手がピットイン。
その結果、封じ込まれていたラッセルとジョビナッツィを見事にオーバーカット!
惜しくもその前を走っていた、ライコネンまではギリギリ届きませんでしたが。
それでも秀逸なタイヤマネジメントと、2台をオーバーカットした一貫したハイペース。
テレビにはまったく映りませんでしたが、ラップタイミングを観ながら一人で興奮してシビれていました(笑)
運だけじゃない、ラスト4周のペースも圧巻!
そして13番手でピットアウトした31周目からは。
今度はライコネンが角田選手の目の前に立ち塞がります。
ずっと1秒以内の差ながらも、相変わらずコース上では抜けないのですが。
ここで焦って抜きにいったり、コースアウトしなかったのも成長ですよね!
そんな角田選手の頑張りに、運も味方したのか。
45周目以降、前を走っていたライコネン、ペレス、ガスリーに次々に不運が相次ぎ。
角田選手は、49周目にはついにポイント圏内の10位に浮上します!
『それってやっぱり、運が良かっただけなんじゃないの?』
と思う方もいるかもですが、まだ注目して欲しいポイントがあります!
10位に上がってから52周目までのラスト4周、1分30秒台後半のタイムを連発しているんです!
これがどれくらい速いタイムだったかと言うと?
7位アロンソ・8位ストロール・9位オコンの、ファイナルラップのタイムは1分33秒前後のタイム。
なので、1.8~2.1秒ほど速いタイムで前を追いかけていたところがゴールでした。
秀逸なタイヤマネジメントで、レース後半にスパートするレース展開。
昨年のF2で何度も見せてくれましたよね!
F1にステップアップして、ようやくこの得意のレース展開を魅せてくれたことも大きいと思っています。
小さいけど、貴重で大きな1ポイント!
こちら、コンストラクターズ選手権の順位表です。
角田選手のアルファタウリは、激しい5位争いをしています。
今回の角田選手の1ポイントで、なんとか5位を死守できました!
特に7~9位入賞が、直接のライバルのアストンマーチン、アルピーヌだったこともありますし。
なにより前戦オーストリアGPで、同じペナルティを2度くらうという凡ミスをしたところなので。
チームの信頼を回復するという意味でも、この1ポイントは小さいけど大きなポイントになったはずです!
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ということで、テレビ中継にはなかなか映らなかった角田選手のレースっぷりを見てきました。
ガスリーの予選順位などから考えても、今回のイギリスGPは他チームと比べてアルファタウリは厳しい状況だったはずです。
そんな中で、秀逸なタイヤマネジメントで、力強いレースペースを魅せてくれた角田選手。
運も味方しての10位とはいえ、管理人としては今年これまでのベストレースだったと思っています!
得意のレース展開をF1で経験できたことも大きいですし、何より運も実力のうちというか、悪い流れから良い流れに変わるきっかけになるはずです!
今度こそ、良い流れを持続していけるように!
次戦ハンガリーGPも、引き続き角田選手の活躍に期待して、応援することとしましょう!
以上、角田選手のイギリスGPについてでした!