レッドブル・ホンダとフェルスタッペンにとっては、辛い連戦となりました。
でも今年はまだ19戦も残っています、相手にとって不足なしです!
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2021年F1第4戦スペインGPが終了しました。
スタート前に小雨が降り出しましたが影響はなく、各チームのタイヤ戦略がレース結果に大きく影響するレースとなりました。
レースの総論としては。
『ハミルトンとメルセデス、このラスボスには勝てる気がしない』
前戦ポルトガルGPとほとんど同じです(笑)
でも前戦は『どうやったら勝てるんだろう?』くらいでしたが。
今回は『勝てる気がしない』とまで思わせるようなカンペキなレースでした(笑)
ということで、そんな絶対王者とチャンピオンチームたる所以がよくわかったスペインGP。
さっそく振り返っていきたいと思います。
スタートで先行されるも、動じないハミルトン
ポールポジションがメルセデスのハミルトン、2番手にレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンで始まったレース。
スタートで、見事にマックスが先頭に躍り出ます!
前戦ポルトガルGPでの再スタートでも、同じようにマックスがハミルトンを交わしています。
やはり、メルセデスは、タイヤが温まりにくい性格のマシンということなのかもしれませんね。
しかしここで焦らないで、無理に戦わずに引いたハミルトン。
抜きにくいコースのはずなのに、ちゃんと抑えるところは抑える。
このあたりが老獪というか、レース全体を俯瞰して捉えて戦っているということでしょう。
その後はポルトガルGPとは異なり、マックスはハミルトンに抜き返されることもなく。
セーフティーカーを挟みながら、別次元のペースでこの2台だけのマッチレースとなっていきます。
珍しい、レッドブルのピットミス
そして24周目。
もし先にハミルトンがピットインすれば、アンダーカットされて抜かれる恐れがあったため、レッドブルのマックスが先にピットイン。
しかし、ここでレッドブルに珍しいミスが。
どうやらコミュニケーションミスがあったらしく、本当はこの次の周にピットイン予定だったそうです。
なのでピット側も準備ができておらず、通常は2秒弱で終わるはずなのに、ピットストップに4秒以上かかってしまいます。
これはピンチ!
『次の周には、ハミルトンがピットインして逆転もあり得るかも!?』
と思っていたら、なぜかハミルトンはピットインせず。
ここから4周ほど引っ張って、ハミルトンは28周目にタイヤ交換します。
この4周差のタイヤ寿命のマージンが、後々響いてきます。
1秒差以内で、マックスを煽るハミルトン
4周若いタイヤなので、ハミルトンはすぐにマックスの後方に迫ります。
1秒差以内にハミルトンが接近し、このようにDRSも使いながら、どんどんマックスをいたぶります。
いや、これは結果を知っているからですよね(笑)
生で観ている時には、この段階では皆さんもこう思っていましたよね?
『4周差くらいのタイヤなら、そうそう抜かれないだろう!』
管理人もそう思っていましたが、今思うと、ここでマックスにタイヤを使わせる作戦だったのかもしれませんね。
素人目には、ハミルトンがマックスを抜きあぐねて膠着状態のように見えたので。
そんなわけないだろうと思いつつも。
- 『まさかハミルトン、もう一回ピットインなんて・・・あるわけないよな?』
- 『確かそんなレースが、だいぶ前にもあったような?』
なんて可能性をおぼろげに思って観ていたら、、、
なんと本当にピットインしてしまいました、これにはビックリ(笑)
そしてこの大胆な戦略と、王者側から仕掛けるその姿勢に、シビれてしまいました!
徐々に忍び寄り、そして一撃で仕留める!
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ハミルトンが2度目のピットインを行ったのが42周目、残り24周の時点。
1周1秒縮めていけば、最終周近くに追いつく計算です。
果たして、マックスはギリギリ逃げ切れるのか!?
しかしハミルトンはここから、そんな机上の計算を嘲笑うかのごとく鬼神の走り。
1周1秒以上を上回るハイペースで、どんどんマックスの背後に忍び寄っていきます。
そして6周も残した、60周目。
マックスの真後ろに追いついたかと思ったら、いともあっさり一撃でオーバーテイク!
ジリジリ追い上げられてくる恐怖と、即打ち取られる屈辱・・・。
レッドブル・ホンダとマックスのファンには、拷問のような時間だったかもしれません(汗)
勝負のカギは、週末3日間の戦い方と成功体験!
あとは、ファステストラップの1ポイントを巡る戦い。
なんとかマックスが貴重な1ポイントを奪取したのは流石でした。
でもハミルトンは、2戦連続、高みの見物でしたけど(汗)
終わってみれば、変則的な2ストップ作戦を決行したメルセデスとハミルトンの戦略勝ち。
2019年ハンガリーGPと同じようなレース展開でした。
戦略を立案するチームと、それを確実に実行するドライバー。
すべてがカンペキ過ぎました。
今思えば、このようにミディアムタイヤを2セット残したメルセデスの頭脳の勝利。
3日間を通しての戦いということと、過去の成功体験。
これがチャンピオンチームと、久しくチャンピオン争いをしていないチームとの経験の差だったのかもしれません。
とは言っても、ポイント差はまだ小さい!
レッドブル・ホンダとフェルスタッペンにとっては、またも完膚なきまでに叩きのめされたレースとなりました。
このポルトガル・スペイン連戦では、ハミルトンとメルセデスの強さを嫌というほど味わったと思います。
しかしチームもドライバーも、この経験が、さらなる高みに行くための糧になるはずです!
例年と違うのは、このようにまだ2人のポイント差は14ポイントです。
1レース分のポイントも離れていないのは、マックスがしっかりダメージを最小限にとどめているからですよね。
強すぎるハミルトンとメルセデス。
この偉大な絶対王者を倒してこそ真のチャンピオンと言えるんではないでしょうか!
今年のレースはまだ19レースも残っています。
これからもっともっと、シビアでミスが許されない戦いとなっていくのでしょう。
レッドブル・ホンダとマックスには、歴史に残る頂上決戦をぜひ見せて欲しいですね!
本当に、今年のF1はなんて面白いんでしょうか!!
次はいよいよモナコGPです、2年ぶりの開催となります。
次はレッドブルが得意なコースのはずです。
伝統の市街地サーキットで、次はどんな頂上決戦を魅せてくれるのか?
また2週間後、存分に楽しむこととしましょう!
以上、2021年F1第4戦スペインGPについてでした!