イギリスGPのスプリント予選で、マックスが4連続ポールポジションです。
連続PP数とタイトル獲得、どんな関係があるかを調べてみました!
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2021年F1第10戦イギリスGP、まだ例のクラッシュ騒動の騒ぎが収まりませんね。
まぁこういう騒動も含めてF1なので、この際、楽しむこととしましょう(笑)
そのクラッシュ騒動で、皆さんもう記憶が薄くなっているかもしれませんが。
イギリスGPでは、F1史上初のスプリント予選が行われました(笑)
結果は、マックス・フェルスタッペンが見事にポールポジション獲得となりました。
金曜の予選ではなく、土曜のスプリント予選の勝者にポールポジションの称号が与えられるのがどうにも違和感があるのですが。
とにもかくにも、これでフェルスタッペンは自身初の4戦連続ポールポジションとなりました。
そんな結果を見ていて、またとある疑問が頭に湧いてしまいました。
『4戦連続PPを獲ったドライバーって、そのシーズンほとんどタイトルを獲ってるのでは?』
4戦連続PPなんて、かなり難しい素晴らしい記録だと思います。
そんなドライバーは、ほとんどそのシーズンのタイトルを獲っているような?
うーん、でも、4戦連続くらいでは、タイトルを取りこぼしていることも結構あるような?
これは気になってきました!
なので、連続ポールポジション回数とそのシーズンのタイトル獲得の相関を調べてみることにします!
4戦以上連続PP)年度別一覧
年度 | ドライバー | 連続PP数 | タイトル |
---|---|---|---|
2021 | M.フェルスタッペン | 4 | ? |
2020 | L.ハミルトン | 5 | 〇 |
2019 | C.ルクレール | 4 | × |
2016 | L.ハミルトン | 4 | × |
2015 | L.ハミルトン | 7 | 〇 |
L.ハミルトン | 4 | 〇 | |
N.ロズベルグ | 6 | × | |
2014 | N.ロズベルグ | 4 | × |
2013 | L.ハミルトン | 4 | × |
2011 | S.ベッテル | 5 | 〇 |
S.ベッテル | 4 | 〇 | |
2010 | S.ベッテル | 4 | 〇 |
2006 | F.アロンソ | 5 | 〇 |
2002 | J.P.モントーヤ | 5 | × |
2000 | M.シューマッハ | 4 | 〇 |
1999 | M.ハッキネン | 6 | 〇 |
M.ハッキネン | 5 | 〇 | |
1997 | J.ヴィルヌーブ | 4 | 〇 |
1995 | D.クルサード | 4 | × |
D.ヒル | 4 | × | |
1993 | A.プロスト | 7 | 〇 |
A.プロスト | 5 | 〇 | |
1992 | N.マンセル | 6 | 〇 |
N.マンセル | 5 | 〇 | |
1991 | A.セナ | 4 | 〇 |
1990 | A.セナ | 4 | 〇 |
1989 | A.セナ | 6 | × |
A.セナ | 5 | × | |
1988 | A.セナ | 6 | 〇 |
A.セナ | 4 | 〇 | |
1987 | N.マンセル | 4 | × |
1975 | N.ラウダ | 4 | × |
1974 | N.ラウダ | 6 | × |
1967 | J.クラーク | 4 | × |
1963 | J.クラーク | 4 | 〇 |
1961 | P.ヒル | 5 | 〇 |
1954 | J.M.ファンジオ | 4 | 〇 |
(調査条件)
- 1シーズン内の最大連続PP数を調査
- 年を跨いだ連続PPは含みません
- 2021年第10戦イギリスGP終了時点
シーズン中に、4戦以上連続でポールポジションを獲得したドライバーを列挙してみました。
昨年までの72年の歴史で、今回のフェルスタッペンで、のべ37回目。
ただし1年で同じドライバーが複数回や、複数ドライバーが達成していることもあります。
なのでシーズン数で見ると、4戦以上連続ポールポジションが達成されたのは28シーズン目です。
つまり4割近くのシーズンで4連続以上のPPが達成されているので、思ったよりも多かった!
そして、タイトル獲得状況を〇×で現してみましたが。
結果は・・・ん、あれれ?
今年を除く27シーズンのうち、タイトルを獲得できたのはわずか16シーズン。
獲得率は59.3%ですから、五分五分に近いというか、思った以上に相関関係が小さいことがわかりましたね。
でも、もしかしたら、連続PP回数が多いほど相関があるのかも?
見づらいので、連続回数別でソートしてデータを見てみることにしましょう。
4戦以上連続PP)連続回数別一覧
連続PP数 | 年度 | ドライバー | タイトル |
---|---|---|---|
7連続PP | 2015 | L.ハミルトン | 〇 |
1993 | A.プロスト | 〇 | |
6連続PP | 2015 | N.ロズベルグ | × |
1999 | M.ハッキネン | 〇 | |
1992 | N.マンセル | 〇 | |
1989 | A.セナ | × | |
1988 | A.セナ | 〇 | |
1974 | N.ラウダ | × | |
5連続PP | 2020 | L.ハミルトン | 〇 |
2011 | S.ベッテル | 〇 | |
2006 | F.アロンソ | 〇 | |
2002 | J.P.モントーヤ | × | |
1999 | M.ハッキネン | 〇 | |
1993 | A.プロスト | 〇 | |
1992 | N.マンセル | 〇 | |
1989 | A.セナ | × | |
1961 | P.ヒル | 〇 | |
4連続PP | 2021 | M.フェルスタッペン | ? |
2019 | C.ルクレール | × | |
2016 | L.ハミルトン | × | |
2015 | L.ハミルトン | 〇 | |
2014 | N.ロズベルグ | × | |
2013 | L.ハミルトン | × | |
2011 | S.ベッテル | 〇 | |
2010 | S.ベッテル | 〇 | |
2000 | M.シューマッハ | 〇 | |
1997 | J.ヴィルヌーブ | 〇 | |
1995 | D.クルサード | × | |
1995 | D.ヒル | × | |
1991 | A.セナ | 〇 | |
1990 | A.セナ | 〇 | |
1988 | A.セナ | 〇 | |
1987 | N.マンセル | × | |
1975 | N.ラウダ | × | |
1967 | J.クラーク | × | |
1963 | J.クラーク | 〇 | |
1954 | J.M.ファンジオ | 〇 |
(調査条件)
- 1シーズン内の最大連続PP数を調査
- 年を跨いだ連続PPは含みません
- 2021年第10戦イギリスGP終了時点
連続PP回数別に並べ替えてみました。
7連続PPを達成すれば、タイトル獲得率は100%です。
でも2回だけなので母数が少ないですね。
そして6連続PPでも5連続PPでも、ダメなときはダメということをデータでは示してます。
さらに、4連続PPだけで見てみると。
ここまで19回中、タイトル獲得が10回で約半分です。
うーん、せっかく調べてみましたが。
これは、
『連続PP回数とタイトル獲得は、相関関係がほとんどない』
と言わざるを得ないかもしれませんね(笑)
『純粋な速さ』と『リスク管理』は別スキル?
ということで、連続ポールポジション記録と、年間タイトル獲得はあまり相関が無いことがわかりましたね。
確かに、ポールポジションを獲得する『純粋な速さ』と、年間を俯瞰で捉えて戦う『リスク管理』は別スキルなのかもしれません。
今シーズンこれまでの10戦、フェルスタッペンが半数の5レースでポールポジションを獲得。
そういう意味では、これまで『純粋な速さ』はフェルスタッペンが勝っています。
一方、『リスク管理』という意味では、7度のチャンピオンのルイス・ハミルトンにやはり一日の長があるように感じます。
例えば一般論として、2台のマシンがバトルの際、アウト側の方がよりリスクが高いです。
あらためてイギリスGPを見返してみると、クラッシュする直前の6コーナーでは、アウト側で半車身前に出たハミルトンがきちんと引いています。
思えばエミリア・ロマーニャGPやスペインGPでのバトルでも、アウト側に居たハミルトンは一度引いてマックスに譲り、レースを立て直しています。
結果的に、ポイント争いでたった8ptしか差が無い理由。
これまでのハミルトンの年間タイトル争いを見据えたリスクマネジメント能力によるものではないでしょうか。
もしかしたら、今回連続PP回数とタイトル獲得に相関が無かったのも。
過去の名ドライバーたちの『純粋な速さ』と『リスク管理』スキルのせめぎ合いで、過去の歴史では五分五分だったということかもしれませんね!
今年は『純粋な速さ』と『リスク管理』、一体どちらが勝つのでしょうか?
ますます激しくなってきた今年のタイトル争い。
ぜひこんな視点から、楽しんでみるのはいかがでしょうか!
以上、連続PP回数とタイトル獲得の相関調査でした!