上位でノーミスだったのは、ノリスとリカルドだけ。
スピン・コースアウト後は、まさに『運も実力のうち』のレースとなりました。
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2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGPが『無事』に終わりました。
雨混じりの難しいコンディションの中、酷いクラッシュもあり、とにかく誰も怪我せず『無事に』レースが終わってホッとしました。
レース展開の総論としては。
『運に守られている人と、そうでない人の違い』
が如実に表れる結果となったのではないでしょうか(笑)
また日本期待の角田裕毅選手については、今回は散々な週末となりました。
SNS上での議論?も白熱しているようで、長くなるので角田くんについては明日の記事で書くことにします(笑)
ということで白熱したイモラでのレース、さっそく振り返ってみたいと思います。
上位勢のほとんどが1回はスピン・コースアウト
レース結果です、こちらがトップ10の順位です。
レッドブル・ホンダのフェルスタッペンが見事に今期初優勝を飾り、以下ハミルトン、ノリスが表彰台。
上位の中では、一度もコースオフやスピンせずノーミスだったのは、ノリスとリカルドのマクラーレン勢のみではないでしょうか(間違ってたらスミマセン)。
特にノリスは、予選から素晴らしい走りを魅せてくれましたよね!
なお7位に入ったストロールが、コース外での追い抜きによるペナルティでレース後に8位に降格。
また9位に入ったライコネンも、リスタート時のルール違反によるペナルティで13位に降格となっています。
このライコネンのルール違反について。
少々難しいのですが、再スタート時について、簡単にルール概要はこんな感じです。
- 再スタート前にスピンなどで順位を落とした場合、第一セーフティカーライン(スタートラインより手前)までに、速やかに元の順位に戻らないといけない。
- 元の順位に戻れなかった場合、ピットインする必要があり、全車通過後に再スタートしないといけない。
ライコネンは再スタート前のセーフティーカー先導中にコースアウトし、落とした順位のまま再スタートしてしまってたので、ペナルティとなったということです。
フェルスタッペンやルクレールも、ペナルティの可能性があった!?
こちらの写真、赤旗後の再スタート直前です。
最終コーナーのリヴァッツァで、フェルスタッペンがコースアウトしたところです。
ライコネンの違反を調べていて気付いたのですが。
『ルクレールがもしフェルスタッペンを抜いていたら、2人ともヤバかったはず!?』
まずルクレールは、フェルスタッペンがコースアウトしたので、抜いてもいいはずでした。
そしてライコネンがペナルティとなったルールからすると、フェルスタッペンは元の順位のトップに戻るか、もし戻れなかったらピットインしないといけなかったということ。
第一セーフティーカーラインはこのあとすぐなので、おそらく戻れなかったでしょう。
そして、このルールをチームが熟知してすぐにピットイン出来ていたか疑問です。
というのも、一方でこんなルールもあるからです。
- セーフティカーがピットに戻った後は、コントロールライン通過まで他車を抜いてはいけない。
なのでもしルクレールがこのタイミングで抜いていたら。
- 二つのルールが矛盾している。
- 抜き返した時、セーフティーカーはどこにいた?
- リヴァッツァでのフェルスタッペンのコースアウト、完全にトラック外だったのか?
- 抜いた側のルクレールのほうが悪かったんじゃないか?
などなど・・・。
きっとレース後にこんな議論で混乱していたはずです。
ルールの解釈や議論に、フェルスタッペンやルクレールが巻き込まれていたはずです。
そんな結果、考えたくもないですよね(笑)
ルクレールはフォーメーションラップでコースアウトしたのにこの段階で2位まで挽回し、そして、フェルスタッペンをこのタイミングで抜かないでよく堪えてくれたと思います。
二人とも、ミスでコースアウトしながらも良い結果を出せた。
そういう意味では、この二人はやっぱり『持っている男』なのでしょう。
『運に愛されている男』はやっぱりこの人!
でも、『持ってる男』というかもはや『運に愛されている男』はこの人ですよね!
ハミルトンが最後にリタイアしたのは、なんと2018年7月のオーストリアGPです。
31周目に周回遅れを抜く際にコースアウトし、『ハミルトン、3年ぶりのリタイアなのか!?』と思っていたら。
これ以上ないタイミングでセーフティーカー導入・赤旗中断となり、同一ラップの9番手でレースやり直しという、ミスが最小限の影響に抑えられました。
本当にラッキーすぎますよ(笑)
でもただラッキーなだけじゃないのがこの男です。
そこから2位までリカバリーしたのが凄いことです。
やや濡れた路面で、ドライタイヤでオーバーテイクすることがいかに大変なことか!
追いついても抜けないのではと思っていたら、怒涛のオーバーテイクでした。
さすが7度のチャンピオン、惚れ惚れするようなハミルトンの圧巻の走りに興奮させられました。
『持ってない男』は、この2人・・・
一方で今回のレース、『持ってない男』ということでは、ボッタスとラッセル、やっぱりこの2人ではないでしょうか。
まずアクシデントについては、酷いクラッシュだったし、ここはイモラだしタンブレロだし、どうしてもあのセナの悪夢が甦るので、とにかく怪我もなく無事で本当に良かったです。
この2人、どちらが悪いわけでもないレーシングアクシデントだったと管理人は思います。
悪くないにもかかわらず、結果は本当にツイてないことになったのが『持ってない』ところです。
まずボッタス。
クラッシュして、もっとも得をしたのが、よりによってハミルトンだったのが運の無いところ。
本来はハミルトンはノーポイントに終わるはずで、ボッタスが上位入賞でポイントリードできたはずでした。
ところが、逆に自分がノーポイント。
レッドブルとの厳しいチャンピオン争いになりそうな今年。
残念ながらチームの力を一人に結集して戦うことが予想されます、今回の結果からおのずとハミルトンに結集していくことになるでしょう。
悪くないにも関わらず、ボッタスが今年もサポート役に回されることが確定したような・・・そんなレースとなってしまったのではないでしょうか。
次にラッセル。
よりによって、クラッシュした相手がメルセデスというのが運の無いところです。
特に今年はF1チームに予算制限が設けられているので、同士討ちではないにしろメルセデスのマシンを全損させたのはかなりいただけません。
メルセデスの上層部は良い顔をしないでしょうし、いざ来年以降のメルセデスとの契約の話になったときに影響が無いか心配しています。
『速いけど、レースでは安定した結果を出せない』という印象を与えてしまったかもしれません。
『F1では、なぜか特定ドライバーに悪運が連鎖する』
まさにそんな歴史を証明する結果になってしまったかもしれません(涙)
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第2戦イモラでのレースを振り返ってきました。
とにかく、イモラでのレースです、酷いクラッシュがありながらも無事に安全に終わってくれてよかった。
そして今回は、F1って最新技術が結集された世界なのに、最後は人の運や技術や精神力で決まるということを実感したレースとなりました。
次戦ポルトガルGPでもまた安全無事に行われることを祈りながら。
今回同様の白熱のトップ争いや、角田くんのリベンジなどを期待して、楽しみに待つこととしましょう!
以上、2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGPについてでした!