快晴のもと、まさかの雷雨予報も聞こえてくる中で開催されたF1 2020年 第6戦スペインGP決勝。
結果としては、メルセデスのルイス・ハミルトンが圧勝することになりました。
ハミルトンのタイヤマネジメントや駆け引きのうまさが、あらためてよく解かるグランプリとなりましたね。
優勝争いは独走となったスペインGPですが、2位以下に目を向けてみるといろんなドラマがありました。
偉大なドライバーたちの実力と、より良い結果を出すための戦略。
このあたりの重要性を考えさせられたグランプリになりましたので、さっそく振り返っていくことにしましょう。
ハミルトンがシューマッハーの表彰台記録更新
まず記録ということで、前回シューマッハーの生涯表彰台記録に並んだハミルトン。
今回のレースで、あっさり記録更新の156回目の表彰台を優勝で飾りました。
レース展開としては、これぞ王者の走りという圧巻の勝ち方でした。
管理人もレース序盤、『あれ? フェルスタッペンが思ったよりハミルトンから離されないぞ? 』と思って見ていました。
でも、これは王者がしっかりタイヤマネジメントしていただけでしたね(笑)
10周越えたあたりから、徐々にペースアップし始めたハミルトン。
あっというまに後続との差を開きました。
これをやられると、後続は戦闘意欲を無くしちゃいますよね。
盤石の戦略と、それを実現するドライバー。
惚れ惚れするチャンピオンらしい走りだったのでは無いでしょうか。
一方のチームメートのボッタスは、レース結果は3位。
ポイントランキングでも2位のフェルスタッペンに差を開かれてしまいました。
なによりスタートで、フェルスタッペンだけではなくストロールにまで前に行かれたのが最大のポイントでした。
あともう一つ、タイヤ交換戦略もナゾでした。
ソフトタイヤでのスタートから、ミディアム→ミディアムへのタイヤ交換かと思ってたのに。
なぜか最後はソフトタイヤでしたね。
最後ミディアムにしていれば、もしかしたら最終盤にフェルスタッペンに勝負を挑める機会もあったような。
とにかく、どうもスタートで失敗したときのボッタスは力強さが無い気がします。
チャンピオン争いを面白くするためにも、次戦以降奮起してほしいですね。
フェルスタッペンも、やっぱり凄いドライバー
あらためて、フェルスタッペンは凄いドライバーですね。
今回、勝機を見出すためにはスタートしかなかったです。
そのスタートを見事に決めてボッタスをかわしました。
その後はハミルトンとは勝負にはなりませんでしたが、きっちりボッタスは抑え切って見事に2位表彰台です。
テレビ中継でも、チームと無線で激論するフェルスタッペンが話題になっていましたね。
信頼関係がある中で、一体となって現実を見極めて着実に2位を取りに行く戦略。
そしてそれを確実に実行する偉大なドライバー。
こやって書くと単純そうに思えますが、今回のレッドブルとメルセデスのクルマの差を考えてみましょう。
ボッタスを抑えれたのは、フェルスタッペンだからこそ実現できたことではないでしょうか。
比較すると可哀そうですが、チームメートのアルボン。
最近では上位である6番手からスタートでしたが、タイヤ交換時期とトラフィックとタイミングが悪く、残念ながら8位が精一杯という結果でした。
アルボンが悪いドライバーというわけではありません。
このように中団勢でも苦労するマシンで、メルセデス勢の間に割って入れるフェルスタッペンが凄すぎるということの裏返しではないでしょうか。
ベッテルは意地を見せた!でも、ひどすぎる戦略・・
ベッテルが、ドライバーとして意地を見せてくれたレースだったんではないでしょうか。
その証拠にドライバーオブザデイに選ばれていましたね、やっぱり世界中のファンから愛されています。
ちなみに今回のポイントで、ご覧のようにハミルトンに次ぐ3,000ポイント達成記録だそうです。
今回のレースは100点満点だったと思います。
でも、でも、でも、です。
やはりチャンピオンに期待する走りはハードルが高くなります。
リタイアするまでは、ルクレールの方がタイヤを労り、良い位置をキープしていました。
ルクレールはソフトタイヤでしたからね。
このところ成長著しいルクレールに、予選も決勝もやられているのがやはり気になります。
チャンピオンには、ダメなマシンでもチームメートに圧勝して良いレースを見せてほしい。
それによって、ルクレールも奮起してさらに成長していくはずです。
その楽しみは、次のベルギーGP以降に期待を取っておきましょう。
それにしても、フェラーリの戦略・・・。
いきあたりばったり過ぎて、もはや戦略と呼べないですよね(笑)
今回のような作戦はタイヤバーストの危険もあるので見ててハラハラしました。
結果論としてうまくいったから良かったものの、シューマッハ時代はこれを狙ってやれるようなチームでした。
早くそんな強いフェラーリに戻ってきて欲しいものです。
病み上がりペレスの健闘を称えたい
あと忘れてはいけない、レーシング・ポイント勢について触れたいと思います。
結果は、ストロール4位、ペレス5位と、上位でポイントフィニッシュを決めました。
これで、コンストラクター争いも3位浮上です。
まずは病み上がりのペレス、これは見事というほかないです。
あまりSNSなどでも話題になっていませんが、もっと褒め称えてあげたいです(笑)
だって1~2週前はコロナ陽性だった人が、F1を戦っているだけでも凄いことです。
ブルーフラッグ無視は褒められませんが、それさえなければ4位だったでしょう。
タイヤマネジメントがうまく、最後にはきっちり表彰台を持ち帰ってくるレースが得意なペレスです。
次のベルギーGPまで1週開くので、しっかり体調を元通りにしてさらに良いレースを期待しましょう。
次にストロールですね。
今回、レッドブルが2位を取れた立役者のうちの一人ですね(笑)
見事にスタートを決めて、その後もしっかりしたペースで走り、きっちり仕事してました。
いろいろ言われていますが、予選の結果はともかく、レースではきちんと結果を出しています。
大昔は、もっとびっくりするくらいイマイチな成績のペイドライバーがいたものです(笑)
ストロールはきちんとそれなりの結果を出しているので、今年の上位で戦えるマシンで今後のさらなる成長を見守っていってあげたいです。
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見てきたとおり、今回のスペインGPは、チーム戦略による人間の戦いと、偉大なドライバーの実力が垣間見えました。
まさにF1レース、と言えるような良いグランプリだったのではないかと思います。
次は1週間開いて、第7戦はベルギーGPです。
管理人は、好き過ぎて2回も観戦に行ってしまったスパ・フランコルシャンです。
来週はインディ500もありますし、暑さに負けずに次のレースを楽しみに待つことにしましょう!