この男は、本当にF2新人なのでしょうか。
冷静さと勇敢さのバランスの取れたレース運びで、見事にF1への切符を手にしました。
F2サヒール戦のレース1、日本期待の角田裕毅選手が見事にポールトゥウィンを決めてくれました。
この優勝によりランキング4位以内が確定となり、F1出場に必要なスーパーライセンスポイントを満たすことになったのは、多くの情報サイトなどで報じられている通りです。
ただ速くて肝っ玉がすわっているだけでなく、この大一番での冷静で力強いレース運びが、F1に昇格してからの飛躍も大いに期待させてくれる結果となりました。
そんなレース展開と、これからの期待を見ていきたいと思います。
フリー走行、予選、レース1すべてトップの完全勝利!
まずレース展開を振り返ってみましょう。
スタートは先週の教訓から、少し慎重になり3番手に落ちてしまいます。
悪いことに、抜かれた2台はランク争いの直接のライバル、マゼピンとシュワルツマン。
プレッシャーのかかるこの大一番で、並のドライバーなら焦りから目先の順位にこだわり、タイヤの消耗を引き起こしていたはずです。
しかし、角田選手は攻め時と落ち着き時をコントロールする頭脳的なレース運びで、タイヤマネジメントに徹し、レース中盤から終盤に見事に2台を抜き去り優勝を果たしてくれました。
『レース1で、奇跡的にこんな結果にならないかなぁ』、
と希望的観測で思っていたことが、まさに現実となった結果だったのではないでしょうか。
ランキングは2位~4位で確定
ファステストラップこそ逃したものの、優勝25ptとポールポジション4ptを加えて、29ptを獲得してランク3位に浮上となりました。
最終戦のレース2で得られる最大ポイントは、優勝15pt+ファステストラップ2ptの合計17ptです。
よってご覧の通りランク5位のマゼピンに22ポイント差となったために、ランク4位以上が確定となった次第です。
ランク4位のシュワルツマンとの差は15ptです。
レース2で2位だと12ptしか獲得できないので、4位に落ちる可能性はシュワルツマンが優勝して、かつ角田選手がノーポイントの場合です。
逆にランク上位に目を向けると、首位のミックまではもうポイントは届きません。
2位のアイロット選手とは15pt差なので、優勝すれば2位の可能性が出てきます。
アイロット選手がノーポイントであることが条件なので厳しいですが、ランク2位を目指してレース2でも優勝するように応援することにしましょう!
危なかったマゼピンとのバトル
先日の記事で『最近のマゼピンは危険な走りが少ない』と書いたばっかりだったのですが、、、
こちらの動画のように、今回のレースでは角田選手や、ドゥルゴビッチ選手を何度もコース外まで追い込む危険な走りを犯してしまいました。
3位でゴールしたマゼピンですが、4個の審議対象行為のうち2個がペナルティとなり、合計10秒のペナルティで9位に後退となってしまいました。
『鬼ブロック』と『危険な走り』は違います。
鬼ブロックは、ギリギリ相手のマシンのラインや逃げ場をコース上に残す形だと思ってます。
危険な走りは、コース外しか逃げ場が無い状況に追い込むことです、今回のマゼピンの走りは残念ながらこちらでした。
角田選手はそんな状況でも、冷静にマゼピンの動きを見ていました。
4コーナーで見事にアウト側からオーバーテイクし、抜きつ抜かれつのバトルを終わらせたのは流石でした。
マゼピン病を克服し、F1で角田選手とバトルを!
こちらは、F2公式ツイッターで、マゼピンがペナルティを受けたニュース画像です。
なんというか、写真に悪意を感じるというか(笑)
『悪役』『ヒール』『ダークヒーロー』というキャラが、すでに立っています。
今年のF2ベルギー戦の角田選手とのコース上での戦いは、ぎりぎり『鬼ブロック』の範囲でセーフだったと管理人は思っています。
それだけに今回の危険な走りは残念でした。
相変わらず速いところは見せてくれているので、とにかく今後成長して、他車を危険にさらす『マゼピン病』だけは封印してほしい。
そしてF1デビューしてからも、今年なにかと因縁がついた角田選手と、正々堂々とした戦いを見せて欲しいと思います。
F1デビューの公式発表を待つのみ!
優勝を決めたあとに、レッドブルのヘルムート・マルコさんや、ホンダの山本さんから祝福される姿が感慨深かったですよね。
もう今回の優勝で、アルファタウリからのF1デビューは間違いないでしょう。
あとはいつどんな形で発表されるかだけです。
スーパーライセンスポイント次第では、F1最終戦アブダビGPでのフリー走行出走もあり得たと思います。
でも見事な結果でF1フリー走行出走は不要となったので、乗り慣れていないマシンに乗せるようなことはしないのではないでしょうか?
でもネックになっていたスーパーライセンス取得が可能となったので、来期F1デビューの発表自体は、意外に早くアブダビGP前の発表もあり得るのではないかと予想しています。
来るべき正式発表に向けて、気持ちよくF1昇進できるように。
とにかくあと1戦残っているF2最終戦を全力で応援したいと思います!
以上、角田裕毅選手のF2サヒール戦レース1結果についてでした!