ロシアでは18~27歳までの1年間に兵役義務があり、22歳のマゼピンも対象だったはずです。
今だからこそ、どういう状況なのか、あらためて確認しておくことにしましょう。
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ロシアのウクライナ侵攻について、連日悲しくて恐ろしいニュースが流れている状況です。
ことF1界においても、ロシアGPが中止となり。
ロシア企業「ウラルカリ」がメインスポンサーである、ハースF1チームが多大な影響を受けています。
そんな中で、唯一の現役ロシア人F1ドライバー、ニキータ・マゼピンについても。
父が経営する「ウラルカリ」とともに、F1を去ることになるのではとウワサされています。
そのマゼピンについてですが、そう言えば昨年。
『マゼピン、ロシアの18歳から27歳までの1年間兵役義務問題に直面』
こんなニュースが流れていましたよね?
この話、結論はどうなったんでしたっけ?
あまり考えたくないですが、ロシアはいまや戦争当事国になってしまったので。
場合によっては、それこそマゼピンが戦場に駆り出されるような事態になるのかもしれません。
ということで昨年のこのニュース、今だからこそ。
あらためて内容を確認しておきましょう。
ニュース時期は、2021年6月
まず当時のニュース記事から振り返ってみましょう。
元のニュース記事は、昨年2021年6月の海外サイト発だと思われます。
これとほぼ同内容の、日本語サイトの記事。
「auto sport web」さんにも記事が掲載されていました。
これらの記事から、引用して要約するとこんな内容です。
- ロシアの男性は、18歳から27歳まで1年間の兵役義務がある。
- ニキータの父ドミトリーが、息子の兵役義務消化に不満を持っているとコメントした。
- それを受けて、ニキータがロシアの兵役システムについて説明した。
- 説明内容としては「F1レース活動に支障のない形で兵役義務を消化する」とのこと。
なので、1年間兵役に行ってF1を欠場するような事態にはならない、と。
当時安心した記憶が、甦ってきました。
兵役義務の消化方法
もう少しだけ、深堀して見てみましょう。
こちら「mortorsport.com」さんにも、当時の記事が掲載されていて分かりやすいです。
「F1レース活動に支障のない形で兵役義務を消化する」とは?
具体的にはこんな方法だそうです。
- 兵役を完了するためには、選択肢が二つある。
- 一つ目の方法は、大学を卒業して1年間兵役に就くこと。
- 二つ目の方法は、体力や学問で優秀であればエリート軍に所属でき、全く違う形で完了できる。
- マゼピンは二つ目の方法を選択
- 予備役将校になるための座学を、1週間に1度、3年間続ければ良い。
- 2021年6月時点ですでに2年を消化済、残り1年間とのこと。
ちなみに「予備役」とは、普段は社会人や学生として生活し。
必要とされる場合には、動員される要員のことだそうです。
マゼピンは、モスクワ大学の学生です
そういえば、マゼピンはモスクワ大学の大学生さんだったのを忘れてました。
ご覧の通りレーシングスーツのお腹のあたりに、モスクワ大学ロゴが掲載されています。
ミックの方には、このロゴが無いことが分かりますよね。
ということで、心配だったマゼピンの兵役義務についてまとめると。
あと数ヶ月、週一回の座学をモスクワ大学で続けることができれば。
兵役義務を消化し予備役将校となる、ということですね。
でも、予備役って「必要とされる場合に動員される要員」とのことなので。
有事の今が、まさにその時のような気もするので恐ろしいですね。。。
ロシアのライセンスで、国際レース出場禁止?
少し話がそれるかもしれませんが。
あくまで確定ではなく、つい先ほど海外サイトで流れたニュース(ウワサ)なのですが。
ウクライナ自動車連盟(FAU)が、FIAに対してこんなことを要求しているようです。
『ロシア自動車連盟(RAU)ライセンスドライバーの、自国以外でのレース出場禁止』
もしこのような措置が実行されれば、マゼピンがF1に出走できなくなるのはもちろん。
例えば、今年WECに参戦する予定だったダニール・クビアトや。
フェラーリのテストドライバーで、いくつかのグランプリで金曜フリー走行を担当する予定だったであろうロバート・シュワルツマンなど。
多くのロシア人ドライバーのレースキャリアが危機を迎える大変な事態になります。
彼らドライバーに罪は無いと思うので、そんな事態にだけはならないよう祈りたいですが。
でもレースキャリアどころか、いまウクライナでは多くの生命が危機に晒されている状況です。
罪なき人々にこれ以上多くの犠牲者が出ないよう。
そして、多くの若者の夢が潰えないよう。
一刻も早く、この恐ろしくて、誰も幸せにならない戦争が終結することを切に願うばかりです。
ということで、マゼピンの兵役義務問題の現状確認でした。