F1での予選通算成績は勝ち越し。
記憶に残るあの姿、ミハエルを陰で支えたこと、素晴らしい功績です!
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いつものようにF1のニュースサイトを見ていたら、気になる記事タイトルが。
『F1キャリア50戦で入賞ゼロ……ルカ・バドエルは“無能ドライバー”だったのか?』
管理人は実はルカ・バドエルが大好きだったんですよ、なのでこれはひどい(涙)
引用元はこちらのmotorsport.comさんの記事です。
タイトルに『だったのか?』と疑問形であるように、記事を読んでみたらバドエルのことを貶めるような内容ではなかったので安心しましたが。。。
でもF1の歴史に残る名車の開発に関わっていたり、今後もF1での記憶に残り続けるシーンを魅せてくれたバドエルです。
彼の名誉のためにも、今日はそんなバドエルのF1キャリアを紹介したいと思います!
予選通算はチームメイトに勝ち越し!
年度 | チーム | チームメイト | 予選勝敗 |
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1993年 | ローラ | M.アルボレート | 8勝6敗 |
1995年 | ミナルディ | P.L.マルティニ | 4勝5敗 |
P.ラミー | 4勝4敗 | ||
1996年 | フォルティ | A.モンテルミニ | 8勝2敗 |
1999年 | ミナルディ | M.ジェネ | 9勝6敗 |
2009年 | フェラーリ | K.ライコネン | 0勝2敗 |
通算 33勝25敗(勝率56.9%) |
まずルカ・バドエルのF1通算成績です。
F1には58戦にエントリーし51戦で予選通過、未出走が1戦あるため出走レース数は50戦です。
ご覧の通りキャリアのほとんどを最下位チームで戦い、1990年代は6位までが入賞だったこともあり、残念ながら一度も入賞が無くF1キャリアを終えます。
50レース出走で入賞無しは、ノーポイント最多出走記録となり、今回の記事でもこの記録に触れています。
でも注目したいのは予選成績です。
F1ウィナーのアルボレートや、いぶし銀のマルティニなどを相手に、互角以上の予選成績を残しています。
生涯通算予選成績も勝率56.9%とかなり良い数字で勝ち越しています。
デビュー直後のチームが最下位チームだったことが災いし、優秀なドライバーのその後のキャリアが迷走するという、
厳しい世界のF1ではよくある典型的な例ではないでしょうか。
ずっとF1ファンの記憶に残る1999年ヨーロッパGP
そんなバドエルに、千載一遇の入賞チャンスがやってきたのが1999年ヨーロッパGP。
上位陣にあらゆるアクシデントが発生したこの波乱のレース。
バドエルは終盤なんと4位を走行!
入賞、あわよくば表彰台かと思われた矢先、残り13周で無念のマシントラブルによるリタイア。
リタイアしてマシンを降りた直後に、この動画のようにマシンに寄りかかりうなだれ、そして人目もはばからず号泣する姿。
もらい泣きしたり、暖かい拍手を送ったファンも多かったはずです。
昨年2020年のイモラ。
下位チームで苦しんでいたジョージ・ラッセルが、ポイント獲得寸前の終盤にリタイア。
このうなだれる姿に、バドエルの姿を思い出した世界中のファンも多かったようです。
優秀なドライバーなのに、下位チームで苦しみ、ようやく手にする寸前だった入賞を失う悲劇。
バドエルが優秀なドライバーと認められていたことの裏返しではないでしょうか。
フェラーリ黄金時代の縁の下の力持ち!
その後、2000年から2010年まで、バドエルはフェラーリのテストドライバーとなります。
ご存知の通りフェラーリの黄金時代です。
特に2000年代前半から中盤はテスト走行制限も無かったために、テスト開発によるチームへの貢献は今の時代よりはるかに高かった時代です。
そんな中でシューマッハやチームからの評判も上々だったそうで、黄金時代を陰で支えていたのはこのバドエルだったわけです。
フェラーリ帝国ファミリーの一員であり、信頼も厚かったこと。
2006年トリノオリンピックでデモランを任されたことや、現在闘病中のシューマッハへの面会が許されていることなどがその証拠ではないでしょうか。
2009年の復帰、結果が出なかったのは仕方ない!
そんなバドエルに、マッサ負傷により2009年になんとフェラーリでF1復帰する機会がやってきます。
しかし参戦した2戦は散々な結果となり、早々にフィジケラにドライバー交代することとなります。
バドエルにとって不運だったのは、この2009年からテスト走行が禁止となっていたことで、
実走経験がほとんど無いまま10年ぶりのF1実戦復帰となったことです。
そしてこの年のフェラーリの戦闘力もイマイチでしたし、交代したフィジケラの成績も散々でしたし。
このフェラーリでの2戦で結果なんて出るわけない状況だったので、
バドエルのそれまでの功績や記憶が色褪せるものでは決してないと思います。
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ルカ・バドエルのF1キャリアを振り返ってきました。
あらためて振り返ることで、いろんな思い出が甦ったり、やはりF1の世界が厳しい世界だということを痛感します。
どんな優秀なドライバーでも一歩間違えれば、あっという間に去らざるを得なくなるのがF1の世界です。
でも、結果が出なかったからそのドライバーが無能であるということでは決してありません。
そんな厳しい世界で戦うすべてのF1ドライバーをぜひリスペクトしながら、
これからもF1を楽しんでいくことにしましょう!
以上、ルカ・バドエルのキャリアについてでした!