いつものネガティブコメントも出てこないですし異例です。
もしかして、これは本当にヤバいのかも?
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F1プレシーズンテストの2日目が終了しました。
残りはあと1日、本日このあと16時から3日目走行開始となります。
メルセデスが、いきなり躓いたスタートとなった初日。
2日目に巻き返してくるかと思いきや、またも不安になるような挙動を見せていました。
チャンピオンチームに何が起こっているのか?
3日目を楽しむ前に、少し深堀して見ておくことにしましょう!
トップタイム、でも意味はない!
まずこちらが、テスト2日目のタイムと周回数の結果です。
『メルセデスがヤバいって、ボッタスがトップタイムじゃないの!?』
と思う方もいるかもしれません。
でも、テスト走行でのタイムはまったく関係ありません!
それでもタイムを気にするのであれば、こちらのタイヤも見てみてください。
ボッタスのトップタイムは、一番柔らかいC5タイヤで出したタイムです。
同じC5タイヤでのガスリーや、一段階硬いC4タイヤのノリスとの差が小さすぎます。
もしタイムを気にするとしたら、むしろメルセデスとしては決して良いタイムでは無いことが解るかと思います。
2日間で、周回数がまさかの最下位
順位 | チーム | 1日目 | 2日目 | 合計 |
---|---|---|---|---|
1 | レッドブル | 138周 | 117周 | 255周 |
アルファタウリ | 111周 | 144周 | 255周 | |
アルピーヌ | 128周 | 127周 | 255周 | |
4 | アルファロメオ | 130周 | 124周 | 254周 |
5 | ハース | 84周 | 164周 | 248周 |
6 | フェラーリ | 115周 | 129周 | 244周 |
7 | ウィリアムズ | 83周 | 132周 | 215周 |
8 | マクラーレン | 90周 | 104周 | 194周 |
9 | アストンマーチン | 97周 | 80周 | 177周 |
10 | メルセデス | 48周 | 116周 | 164周 |
テストにおいては、タイムよりも重要なのが周回数です。
2日間それぞれと、合計の周回数をチームごとにまとめてみました。
メルセデスはここ数年、公式テストでは必ず最多周回数をこなすチームでした。
ところがご覧の通り、今年のテストでは現段階で最下位チームです。
初日の躓きが響いているとはいえ、異例の出来事に感じています。
例年は高い信頼性と安定挙動で、ロングランを繰り返し距離を稼いでいました。
ところが2日目テストを見ていた印象では、10周弱くらいでピットインを繰り返し、
今年はロングランが全然出来ていないように見えます。
例えばタイヤのタレが早いとか、信頼性に不安があるパーツをチェックしているとか。
何か問題を抱えている可能性を疑ってしまいます。
あのハミルトンがスピン、マシンの挙動が不安定?
The big talking point of Saturday morning 👀
A spin into the gravel disrupted running for @LewisHamilton and @MercedesAMGF1, but they were back up and running soon after 👍#F1 #F1Testing pic.twitter.com/bmTXFa84YD
— Formula 1 (@F1) March 13, 2021
2日目午前中のセッションで、目を疑うようなこちらのシーン。
あのハミルトンが、スピンしてコースオフする動画です。
これまでのメルセデスと言えば、いわゆる『オン・ザ・レール』という感じで、
とても運転しやすくて速いマシンだったわけですが。
このスピン時の挙動に限らず、今回のテストではマシンの不安定な動きが目立っています。
風が強かったことも影響しているかもしれませんし、もしかしたらフロアのレギュレーション変更によって思った以上にリアのダウンフォースを失っているのかもしれません。
一発は速く走れても安定して速く走れないなど、ピーキーなマシン特性となっている可能性もあり得るかもしれません。
とにかく、あのメルセデスが見たことのない挙動を見せているのは間違いないです。
本当にヤバいから、ネガティブコメントが出ない?
💬 “I can’t be jumping around happy – it is only testing. As always, we are just focused on getting through our programme.”
Shov, Valtteri and LH with the latest from F1 Testing in Bahrain 👇
— Mercedes-AMG PETRONAS F1 Team (@MercedesAMGF1) March 13, 2021
例年だと、この時期に何かメルセデスに不安要素があれば。
- 『今年はフェラーリに次ぐ2番手かも』
- 『レッドブルが順調そうだ、我々は問題を抱えている』
・・・などなど。
こんなライバルを油断させるようなネガティブなコメントをメルセデス自らが発し、
そして開幕戦ではあっさり圧勝するパターンだったのですが(笑)
今年メルセデスから聞こえてくるのは、
『トラブルが出たけど、プログラムをこなしていて順調だ』的なコメントばかりです。
人間って、自信があるときほど『俺ヤバいよ、全然勉強してないよー』とかネガティブなことを言っちゃいます。
逆に本当にヤバい時は、何も言わなかったり強がったりしますもんね(笑)
なので、いつもの『僕たちメルセデス、今年こそヤバいかも』的なネガティブ発言が無いことが、
逆に本当にヤバいのかもと疑っていたりします。
最強チームの3日目テストに注目しましょう!
とは言っても、最強チームであるメルセデス。
3日目にはしっかり対策して、安定した走行を見せてくれるはずだ、とも思っています。
もし仮に3日目も挙動や信頼性で問題が発生したとしても。
例えば開幕戦までにフィルミングデーを利用するなどして、きっちり対策してきたりするんじゃないかと。
7年連続コンストラクターズチャンピオンを獲るということは、きっとそういうことなんだろうと思います。
ライバルとなるであろうレッドブル・ホンダは、これまでのところ順調に周回数をこなせてます。
この2チームが、ガチで戦うところを今年は見たい!
3日目テスト、特に最後の午後セッションはハミルトンとフェルスタッペンが同時に走ります。
もしタイヤや気温など同じ状況下でメルセデスとレッドブルが同時に走るようなことがあれば。
- マシン挙動の差
- ロングラン周回数の差
- ロングランペースの差
こんなポイントに注目しながら、3日目のテストも楽しむことにしましょう!
以上、バーレーンテスト2日目を終えてのメルセデスに関する考察でした!